「最近おりものの色が変わって臭いがきつく感じる…」
「もしかしてこれって性病なのかな…」
「検査の費用や治療方法ってどうなの?誰か教えて」
このような悩みを抱えていませんか?
性病のほとんどは自覚症状が乏しいため「なんかおかしいな」と思いつつ放置してしまう方も多いです。気づいたときには病状が進行し、疾患によっては不妊症などの後遺症が残ってしまう場合も…。
そこでこの記事では、以下について解説していきます。
- 性病の検査を受ける必要性
- それぞれの性病の検査方法と治療法
- 検査にかかる費用と検査の流れ
この記事を読めば、今のあなたの状態が分かり必要な検査や治療法を知ることができます。ぜひ最後まで読んでお役立てください。
性病検査はどこで受けられる?
性病とは性感染症(STI;sexually transmitted infections)とも呼ばれ、性器クラミジア感染症や梅毒、性器ヘルペスウイルス感染症など性的接触を介して感染する可能性のある感染症をいいます。
性病は早期発見、早期治療がもっとも重要です。性病の多くはかゆみや痛みの症状が多いものの、種類によっては未治療だと不妊の原因となったり、神経や心臓の深刻な合併症や後遺症が残ったりする危険性もあるためです。さらに女性が感染した場合、赤ちゃんへも感染するリスクがあり先天性の障害が出てしまうこともあります。
性病に気づかずに放置すると症状が進行するだけでなく、知らぬ間にパートナーや赤ちゃんにまで感染させてしまうため、おかしいと感じたら早めに検査を受け早期に治療をすることが大切です。
性病検査は保健所や医療機関の婦人科・産婦人科で受けられます。また、検査キットも販売されています。
性病の検査方法と治療方法
性病の多くは適切な治療を受ければ治ります。ただし、早期の段階で治療しなければ合併症や後遺症が残る可能性もあるため、適切な検査と治療が大切です。
ここからは性病ごとに検査方法と治療方法を解説していきます。今回解説する性病は以下の7つです。
- クラミジア
- 淋病
- カンジタ
- トリコモナス
- 尖圭コンジローマ
- 梅毒
- HIV
それぞれ順番に解説していきます。
クラミジア
クラミジアは日本でもっとも多い性病であり、29歳以下の若い女性に多く認められます。症状はほとんどなく、初期のおりものや下腹部の軽い痛みが出る程度のことが多いです。
しかし進行すると不正出血や性交時の痛みを伴い、不妊の原因や早期流産につながる可能性もある恐ろしい病気です。検査する際は尿や膣からの分泌物を採取して行います。
治療には抗菌薬を使用し、1〜7日間程度で終わる場合がほとんどです。男女間での感染が多いためパートナーにも医療機関での受診をお勧めします。
淋病
淋病は正式には淋菌感染症といい、発熱や下腹部の痛み、おりものの増加、のどの違和感などの症状が一般的ですが無症状のこともあります。クラミジアのように進行すると不正出血や性交時の痛み、不妊の原因となる可能性があります。
検査は尿や膣からの分泌物を採取して行います。治療方法は症状や重症度によって異なるものの、抗菌薬を1回投与する方法が一般的です。
カンジタ
カンジタはカビの一種です。性交にて感染する病気であるものの、健康な人でも体内に持っていることがあるため見つかったとしてもカンジタ症を発症しているとはいえません。また、感染したとしてもすぐに症状が出るわけではなく、免疫抵抗力が落ちたときなどに発症します。
症状としては陰部に強いかゆみが出るのが特徴です。さらにおりものが白くヨーグルト状になることや、性交時の痛みも出たりすることがあります。
膣の分泌物を採取して検査し、必要に応じて培養検査も行います。治療は抗真菌剤の入ったクリームや膣剤、内服薬などを1週間程度の目安で使用します。
トリコモナス
トリコモナスは他の感染症と異なり年齢層が非常に幅広く、中高年者でも認められやすいのが特徴です。
また、下着やタオル、オフロなどから感染することが知られており、性的接触の経験がない女性や幼児でも感染者が見つかることがあります。
無症状の場合もありますが、一般的に男性よりも女性のほうが症状は強く現れます。強い悪臭のする白色から黄色の泡状のおりものが大量に出たり、陰部のかゆみ、性交時の痛みを認めたりすることも。
検査時には膣の分泌物を採取し診断します。治療は抗トリコモナス剤の内服薬や膣剤を約10日間使用し、必要に応じて追加治療を行います。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは膣や外陰部、肛門のまわりに褐色もしくはピンク色のカリフラワー状のイボができる感染症です。自覚症状はほとんどないことが多いですが、かゆみや軽い痛みを感じることがあります。
潜伏期間が平均2.8カ月と長いため、感染機会を特定できないことが多いものの、診断は医師の診察で可能です。クリーム剤を使用し治療するか、イボを直接取り除く外科的治療が推奨されています。
クリーム剤での治療は数ヶ月かかる一方で、外科的治療であれば早期治癒が可能です。
梅毒
梅毒は性的接触で感染する代表的な性感染症であり、皮膚や粘膜の小さな傷から細菌が入り血液を通して全身に症状が現れます。性器や口の中に小豆大から指先ほどのしこりやただれができ、その後かゆみや痛みのない発疹が手のひらや体中に拡がります。
症状が消えたあとも感染力が残っているため必ず治療しましょう。治療せず放置していると、数年から数十年の間に心臓や血管、神経など複数の臓器に障害が出てしまい、死にいたることもあります。
また、妊娠中に感染すると胎児にも影響し死産や早産になったり、生まれた子どもの体に異常が見つかったりすることもあるため注意が必要です。検査では医師による診察と血液検査を行います。ペニシリン系の抗菌薬を用いて数週間~数ヶ月間の治療期間を必要とします。
HIV
エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因とされるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は性的接触を中心とする感染症の1つです。感染後2~6週間のうちに50~90%の人に発熱やリンパ節の腫れ、皮疹、のどの痛み、関節痛などの症状が認められます。
初期症状が消えたあと数年~数十年も無症状の期間があるものの、体内ではウイルスによるダメージが続いています。放置すると数年後にエイズを発症し命を落とす危険性がある恐ろしい感染症です。
血液検査を行い、抗HIV薬を投与することで治療が可能です。HIV治療の進歩はめざましく、適切な治療をすることでほぼ100%の患者で治療は成功しています。治療を受けるときは必ずパートナーと一緒に治療を受けましょう。
性病検査にかかる費用と検査の流れ
医療機関で性病検査をする際の流れは以下のとおりです。
- 事前に予約
- 当日、受付で保険証を提示
- 問診票の記入
- 視診を行い性病検査
生理中でもほとんどの性病検査を受けられます。受診の際には尿検査をする可能性があるため受診する1~2時間前から排尿を我慢しておくと検査がスムーズです。
また、来院直前に入浴・シャワーは検査時に分泌部の採取がうまくいかない可能性があるため控えるとよいでしょう。
まとめ
性病は初期症状が軽いことが多いものの、放置すると不妊となったり命を落としたりする危険性があります。パートナーや赤ちゃんにも感染してしまうリスクがあるため、少しでもおかしいなと感じたら早めに検査を受けることが大切です。
「周りにバレたくない…」と思い病院受診をためらってしまう方も多いですが、不安を一人で抱えるのはつらいものです。不安を感じたら早めに保健所や医療機関で相談してみてくださいね。