「性器に水疱ができて痛い」とお悩みの方は、性器ヘルペスが原因かもしれません。性器ヘルペスは一度感染すると再発を繰り返しやすい性感染症であり、医療機関での治療が重要です。
この記事では、性器ヘルペスの概要、治療法から予防法までを解説します。病院での受診を迷っている方や、「性器ヘルペスかもしれない」と不安を抱えている方はぜひご一読ください。
陰部に症状が出る性器ヘルペスとは
性器ヘルペスとは、性器の周囲やお尻に痛みやかゆみ、不快感などがあり、水疱ができる性感染症です。
水疱が破れると、排尿時に強い痛みが生じます。男性よりも女性の方が痛みや不快感の強い傾向があるといわれており、疲れやストレス・風邪や生理などで免疫力が落ちると再発しやすくなるのが特徴です。
一般的に、初めて感染した時と比べて再発時は軽症であることが多く、約6割の方は症状が出ても気付かないといわれています。
性器ヘルペスの症状が出る部位
性器ヘルペスに感染した場合どのような症状が出るのか、男女別に詳しく解説します。
男性の場合
性器ヘルペスの男性の主な症状としては、亀頭や陰茎にかゆみや痛みを伴う小さな水疱が発症することが挙げられます。水疱はとても破けやすく、びらん(下部組織が出てしまった状態)になるため、ズキズキとした激しい痛みが出るのです。
その他には、排尿時の強い痛みや尿道からの分泌物、足の付け根が腫れて歩きづらくなるといったこともあります。
一方で、感染したことに気付かないほど症状が軽い場合もあります。
女性の場合
性器ヘルペスの女性の主な症状に、かゆみや痛みを伴う小さな水疱ができる、強い排尿痛があるという男性との共通点があります。
さらに、女性の場合は性行為時の摩擦で膣内に傷ができやすく、感染が外陰部にとどまらず、子宮頚管や膀胱にまで広がるリスクが高い傾向です。
また、一般的に男性よりも症状が重くなりやすく、38度以上の高熱が出る場合もあり、足の付け根にある鼠経リンパ節が腫れると痛みで歩行が難しくなることもあります。
一方で女性でも、感染したことに気付かないほど症状が軽い場合もあります。
ヘルペスになる原因と感染経路
性器ヘルペスになる原因は、単純ヘルペスウイルスへの感染です。
唾液中に混ざっていることが多く、また、病変部や性器とその粘膜や分泌物にも存在します。そのため、性器ヘルペスは性行為やオーラルセックスによって感染することが多い傾向です。
感染力が強いため、お風呂やトイレ・コップや箸などの共用で感染することもあります。
ヘルペスの潜伏期間
性器ヘルペスの潜伏期間は5〜10日です。
ヘルペスウイルスは、感染すると神経を移動して主に腰仙髄神経節で潜伏します。潜伏感染したヘルペスウイルスは何らかのきっかけで再活性化され、神経を移動して再び皮膚や粘膜に水疱や潰瘍を作ります。
ヘルペスウイルスは完全に除去できないため、症状を抑えることしかできません。
症状が現れたあと
発症する際は、初めてヘルペスウイルスに感染した場合と、既に潜伏感染していたヘルペスウイルスの再活性化による場合の2種類があります。
また、初めて感染し初めて症状が出た場合は「初感染初発」といい、感染は初めてではないが症状が初めて出た場合を「非初感染初発」と呼びます。
初感染初発
一般的に初めてヘルペスウイルスに感染した場合は病巣が広範囲で、発熱を伴い症状も強く出る傾向があります。
多くの場合、性器に水疱ができて、足の付け根のリンパ節が腫れます。
非初感染初発
過去にヘルペスウイルスに感染していたものの無症状だった場合に、免疫力の低下などによって、しばらく経ってから初めて症状が現れた状態を指します。
非初感染初発の場合は症状が軽く、全身症状を伴うことはありません。
再発/回帰発症
過去にヘルペスウイルスに感染・発症のあと沈静化し、その後再び症状が現れた状態です。
男性の場合、再発時は臀部や大腿部など、初感染時と同じ部位に水疱や浅い潰瘍ができます。しかし、症状は軽く、治癒までも1週間程度と短い期間です。病変が出たのと同時に、全身倦怠感や下肢の違和感などが1週間ほど続くこともあります。
女性の場合も症状は軽く、性器や臀部・大腿部に小さい水疱や潰瘍が数個程度できるだけのことが多い傾向です。再発する前に、外陰部の違和感や大腿から下肢にかけて疼痛が出る場合があります。
再発の頻度は月1〜2回から年1〜2回とバラつきがあります。
ヘルペスの治し方
万が一性器ヘルペスになってしまった場合、どのような治療法があるのか、詳しく解説します。
飲み薬
性器ヘルペスでは「バラシクロビル500mg」という薬を服用します。単純ヘルペスウイルス感染症の発症抑制の他、再発防止にも効果がある薬です。
苦みが強い薬のため、薬のまわりがコーティングされています。錠剤は噛まずに服用しましょう。
PIT療法
PIT療法とは、再発を繰り返すヘルペスに対し、あらかじめ処方された薬剤を、初期症状が出た段階で患者自身が判断して服用を開始する治療法です。PITとは「Patient Initiated Therapy」の略称です。
性器ヘルペスを繰り返す方の約8割は、症状が出る前にその部分に疼痛や違和感といった知覚症状や、かゆみといった前駆症状を感じます。
再発の初期症状が出た1回目は6時間以内、2回目は1回目の服用後12時間後を目安(6~18時間後までの範囲)に薬を服用しましょう。また、この治療法は保険適用となっています。
ヘルペシア軟膏
性器ヘルペスにはヘルペシア軟膏の使用も有効です。ヘルペシア軟膏は、皮膚や粘膜の表面にいるウイルスの増殖を抑えられます。
しかし、膣部や子宮頚部など体内でもウイルスは増殖するため、塗り薬のみでの治療は推奨されていません。
予防法
性器ヘルペスを防ぐために、以下のような点に注意しましょう。
- 症状が出ていなくても、妊娠を望んでいなければ、性交時(オーラルセックス時も)に必ずコンドームを使用しましょう。ただし、コンドームを使用しても100%は避けられないため、より注意が必要です。
- 性器に症状が出ている間は、性行為(オーラルセックス含む)は控え、口唇ヘルペスの症状がある場合はキスも避けましょう。
- 患部に触ったあとは必ず手洗いをし、タオルを他人と共有するのは控えましょう。ただし、お風呂(湯船)の中で感染することはほとんどありません。
- お尻に症状が出てしまった場合、人と共用のトイレを使用する際は便座にウイルスが付着するのを防ぐ必要があります。トイレットペーパーを敷くなどして、お尻が直接便座に触れないようにしましょう。
まとめ
性器ヘルペスは、性器の周囲やお尻に水疱ができる性感染症です。痛みやかゆみ、不快感などが現れ水疱が破れると、排尿時などに強い痛みが生じます。
初めて感染した際は症状が強く出る傾向があり、特に女性の場合は38度以上の発熱を伴う場合があります。また、性器ヘルペスは一度感染するとウイルスを完全に体内から除去できないため、疲れやストレス・風邪や生理などで免疫力が落ちると再発を繰り返す病気です。
治療には飲み薬と軟膏が使用され、再発を予防するPIT療法という治療法も存在しています。性器ヘルペスをはじめ、性感染症を予防するには性行為時のコンドームの使用が大切です。
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