ヘルペスとは、「単純ヘルペスウイルス」に感染することにより発症する病気のことです。一般的にヘルペスは唇の表面に発症し、皮膚にピリピリやチクチクするといった症状が現れる「口唇ヘルペス」や、性器に水ぶくれや腫れなどが現れる「性器ヘルペス」がよくみられますが、喉の痛みも伴うケースもあります。
今回の記事では、喉の痛みを伴うヘルペスについて解説するとともに、自然治癒の可否や治療方法について紹介します。予防のためにもチェックしていきましょう。
喉の痛みが伴うヘルペスとは?
ここでは、喉の痛みを伴うヘルペスについてチェックしていきましょう。
ヘルペスウイルスの感染による咽頭炎の可能性がある
昨今では、性行為の多様化によりヘルペスウイルスが喉に感染するケースもよくみられます。ヘルペスウイルスが喉に感染にすると、咽頭炎が起こる可能性があります。具体的には、以下の症状が発症します。
・強い痛み
・嚥下痛(飲み込む際の痛み)
・高熱
・首のリンパ節・扁桃腺の腫れ
・白い膿
など
1型と2型の違い
「単純ヘルペスウイルス」には、HSV-1(1型)とHSV-2(2型)の2種類あります。
それぞれの型が起こす病気の代表的なものとして、1型は唇に水ぶくれを発症する「口唇ヘルペス」などがあり、2型は性器に水ぶくれを発症する「性器ヘルペス」などがあります。
2種類のウイルスは感染後の潜伏場所によって見分けられますが、現在では1型が下半身に感染するケースや、2型が口唇に感染するケースも増えてきており、1型と2型の区別がされない場合があります。
ヘルペスは自然治癒するの?
ヘルペスの症状自体は、10日ほどで自然治癒します。特に単純ヘルペスウイルスが増殖していない状態であれば、自然と症状は治まっていくでしょう。
しかし、単純ヘルペスウイルス自体は、症状の治癒後も体内から完全には取り除けません。感染後は生涯体内に潜伏しており、免疫力が低下した際に再発する恐れがあります。
また、変化が生じている原因をヘルペスと自己判断すべきではないでしょう。喉の痛みを伴う病気や性病はほかにもあります。特に発熱、だるさなどの症状が続く場合は、医療機関を受診してください。
喉の痛み以外のヘルペスの症状
口唇周りに感染するヘルペス(口唇ヘルペス)には、喉の痛み以外に以下のような症状があります。
・感染部位にチクチク・ピリピリした痛み
・痛みを伴う赤みと腫れ
・水ぶくれ
・発熱
主な感染箇所としては、唇や口内、口腔、舌などが挙げられます。また、鼻の下や耳、指、首などにできるケースもあります。
性器周りに感染する性器ヘルペスの場合でも、大きく症状は変わりません。
・感染部位のかゆみ
・痛みを伴う赤み
・リンパ節の腫れ
・水ぶくれ
・発熱
などが主な症状です。性器以外に肛門周囲に症状が現れるケースもあります。
ヘルペスの感染経路
単純ヘルペスウイルスは、接触感染か物を介した感染が感染経路となっています。
接触感染の場合の主な感染経路は、キスや頬ずり、性行為(膣性交・オーラルセックス・アナルセックス)、感染した部位の接触などです。
また、ヘルペスウイルスは、コップや皿など食器類の共用やタオル・衣類の共用など、物を介した接触も感染経路となることが分かっています。
ヘルペスの治療方法
ヘルペスは、基本的に抗ウイルス薬による薬物療法で治療します。
ここでは、それぞれの治療方法と、それぞれが用いられるケースを解説していきます。
塗り薬
塗り薬は、基本的に軽度の症状の場合に選択される治療方法といえます。
よく使用されるのは、アシクロビルやビダラビンです。ウイルスが増殖することを防ぐとともに、再発してしまった口唇ヘルペスを治療します。
内服薬
内服薬は、中度の症状が出た場合に選択される治療方法です。
アシクロビルやバラシクロビルなどが代表的な内服薬です。内服薬も塗り薬と同様に、ヘルペスウイルスの増殖を抑えられます。
初期治療に用いることで、病状の悪化を抑え、治癒を早めることができます。
点滴
発熱など重症化した場合や免疫不全者には、点滴静注が選択されます。
塗り薬同様にアシクロビルやビダラビンが代表的な薬として挙げられます。
点滴も内服薬よりも即効性があり、ウイルスの増殖を防げます。
ヘルペスに感染した際に気を付けるべき4つのこと
単純ヘルペスウイルスは、非常に感染率の高いウイルスの一つです。そのため、症状が出ている際には、気をつけるべきことがいくつかあります。
1.患部を触ったら手を洗う
単純ヘルペスウイルスは、接触感染によって感染が拡大します。
ヘルペスに感染している場合は、患部に触れた手で皮膚や粘膜を擦るのは控えるほか、患部に触れた場合は必ず石鹸で丁寧に洗いましょう。これにより、他人への感染を防ぐことはもちろん、ほかの部位に感染することも防げます。
2.新生児への接触は控える
新生児のヘルペス感染の多くは、親からの感染です。新生児は免疫力が弱く、ヘルペスに感染すると重症化することがあります。そのため、親がヘルペスに感染している場合は、新生児との直接的な接触は避け、マスクを着ける、顔を近づけないなどの対策が必要です。
乳幼児の場合、感染後に高熱が出ることもあります。その他の症状としては、口の周りの発疹や口内炎、歯肉の腫れなどです。
3.タオルやグラスなどの共有は控える
ヘルペスは、生活でよく使われるプラスチック、ガラス、タオルなどを介しても感染することが分かっています。
食器やタオルは共有せず、共有する場合もよく洗ってから使用するようにしましょう。
4.清潔と乾燥を心がける
患部は清潔を保つほか、水ぶくれができているときには水で優しく洗い、タオルでよく水気を拭き取りましょう。水ぶくれは破れてしまうと、細菌への感染が起こりやすくなります。花粉症などで鼻をかむときも、擦らないように気を付けてください。
また、湿った状態のままにしておくと症状が悪化し、二次感染を引き起こしやすくなるため、よく乾燥させた方がよいでしょう。
ヘルペスの再発を予防するには?
ヘルペスは一度感染すると、症状がない状態でも体内にウイルスが潜伏します。潜伏している状態で症状が出なくなるのは、身体に免疫力や抵抗力が備わっているためです。
一方で、以下の要因によって、ウイルスが再度活発化してしまう恐れがあります。
・不規則な生活
・疲れやストレス
・睡眠不足
・バランスの崩れた食事
・運動不足
・過度な運動
再発を繰り返してしまうような方は、規則正しい生活や十分な睡眠・休息を心がけましょう。また、仮に再発してしまった場合は、早期に薬による治療を行うことが重要です。
まとめ
ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」に感染することで発症する病気です。一度感染してしまうと、症状がないときでも体内にウイルスが残り、免疫が下がったタイミングで再発する恐れがあります。他の性病とは異なり、直接的な行為だけでなく食器やタオルの共用といった物を介した感染もあるため、家族内感染に注意が必要です。
もし「ヘルペスかもしれない」と疑う症状が出た場合は、早急に病院を受診し治療を行いましょう。治療方法は内服がメインですが、塗り薬の塗布や重度の場合は点滴静注も行います。また、再発防止には「免疫を下げない生活」が重要です。規則正しい生活やバランスのとれた食事、適度な疲れを溜めないことなどを意識しましょう。
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