性病について症状別に解説|原因・症状・検査方法・治療方法など

カンジダの治療方法

性病とは、性行為を通じて細菌やウイルスに感染する病気のことです。しかし、性病という言葉は知っていても具体的な病気の種類までは知らない方は多いのではないでしょうか。そこで、本記事では性病の種類や原因、症状などについて詳しく紹介します。性病が気になる方に役立つ情報を解説するため、ぜひ参考にしてください。

性病とは

性病とは、性的な行為によって細菌やウイルスに感染する病気のことです。男女に限らず、同性同士の口を使ったオーラルセックスなど、全ての性行為によって感染する可能性があります。

日本では、性病を専門的に診察する性感染症内科のみのクリニックの数は限られるため、女性は産婦人科、男性は泌尿器科を受診するのが一般的です。治療に保険が適用されるか否かは、クリニックによって異なります。

また、性病にかかった人の中には、症状が出ないケースも少なくありません。早期発見と治療が重要となるため、気になることがある場合は早めに受診をしてください。

性病の症状

性病といってもさまざまな種類があり、症状も異なります。ここでは主な性病について紹介しますので、症状について詳しく知るための参考にしてください。

梅毒

梅毒とは、細菌(梅毒トレポネ−マ)に感染することで引き起こされる病気のことです。性行為のみならず、妊娠中の母親から子供に感染するケースもあります。細菌は分泌液や血液に含まれており、感染者の性器や口などの粘膜に触れることで感染します。

3〜6週間ほどの潜伏期間を経て、性器や肛門、口にできものが発生するのが初期段階です。次に体に赤い発疹が出て全身に炎症が広がり、最悪の場合は心臓や脳にも悪影響を及ぼします。

検査は、血液採取によるものが基本です。抗生物質の筋肉注射や飲み薬によって治療を行います。

淋菌感染症(淋病)

淋菌感染症とは、尿道に淋菌がうつり炎症を起こす病気です。主に、女性の口や性器から男性の尿道へ感染します。

感染から2〜7日後に発症し、尿道から膿や分泌液が出たり、排尿の際に痛みを感じたりします。放置していると精巣上体炎や前立腺炎に繋がることもあり、早期の治療が必要です。

感染の有無は、尿検査によって判定します。感染がわかった場合は、抗生物質の飲み薬や筋肉注射、点滴によって治療を行います。

性器クラミジア 

性器クラミジアは、病原体(クラミジア・トラコマチス)が粘膜に付着して感染する病気です。日本で最も多い性病の1つといわれています。性行為によって尿道や子宮、喉に病原体が付着し、感染するのが主な原因です。

尿道に感染した場合は、尿道から分泌液が出たり、排尿時に痛みを感じたりします。子宮への感染は無症状のことも多いですが、場合によってはおりものが増え、きついニオイになるといった症状が見られるでしょう。喉に感染すると、喉に痛みや違和感を覚えるようになります。

尿道は尿検査、子宮は膣分泌液検査もしくは尿検査、喉はうがいによるPCR検査が基本です。治療は、抗生物質の服用によって行います。

性器ヘルペス

ヘルペスは、ヘルペスウイルスが粘膜や皮膚に付着して感染する病気です。性器ヘルペスの場合、性行為によって性器にウイルスが付着することで感染します。

感染すると性器とその周辺に痛みや水膨れなどの症状が現れます。男性は梅毒と誤認されることがありますが、ヘルペスは同じ大きさの水膨れが密集状態になるのが特徴です。女性は特に重症になりやすく、入院する場合もあるでしょう。

検査は、触診や視診、問診によって行われます。感染が確認された後は、治療として抗ウイルス薬の飲み薬が処方されます。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによる感染症です。性行為の際にできた粘膜の傷から感染します。

3週間〜8ヶ月ほどの潜伏期間を経て、性器に粒状の突起が発生するのが主な症状です。性器だけでなく、尿道や肛門、口の中に突起ができることもあるでしょう。自覚症状は少ないですが、かゆみを感じることがあります。

検査では、触診や視診、問診を行います。治療は、液体窒素をつけた綿棒を患部に当てて数秒間だけ凍結させる冷凍凝固法が一般的です。1回で治ることは稀で、10回以上治療を繰り返す場合もあります。

トリコモナス

トリコモナスとは、原虫(腟トリコモナス)が性器に侵入し、炎症を引き起こす病気です。性行為で感染することが多いですが、お風呂やトイレ、タオル、下着からうつることもあり、性経験のない人や子供が感染する可能性もあります。

感染すると、男性は尿道炎、女性は膀胱炎や膣炎を発症し、かゆみや痛みを感じるでしょう。ただし、全体の2割〜5割の感染者は自覚症状がないといわれています。

男性は尿検査、女性は膣分泌液検査によって感染の有無を確かめるのが基本です。治療は抗原虫剤の飲み薬が処方されるほか、女性の場合は膣錠を用いることもあります。

性器カンジダ

性器カンジダとは、真菌(カンジダ)が性器に付着することで発症する病気です。ストレスや風邪によって免疫力が低下し、常在菌に自己感染するケースがよく見られますが、性行為によっても感染します。特に女性に多い性病として有名です。

感染すると患部にかゆみを感じやすくなり、女性の場合はおりものに塊ができたり、ヨーグルト状になったりするでしょう。

男性は皮膚擦過検査か尿検査、女性は皮膚擦過検査か膣分泌物検査が行われます。性器カンジタであることがわかったら、抗真菌薬の服用や軟膏の塗布によって治療します。

AIDS

AIDS(後天性免疫不全症候群)とは、HIVウイルスの感染により発症し、免疫システムが損傷を受ける病気のことです。HIVは精液や膣分泌液、血液、母乳などに多く分泌されるため、性行為のほかに、血液感染や母子感染も原因として挙げられます。

HIV感染初期は、発熱などインフルエンザや風邪に似た症状が現れますが、数週間で元の体調に戻り、無症候期に入る場合がほとんどです。1年〜10年ほどの無症候期を経てAIDSを発症し、免疫不全によってさまざまな病気や感染症にかかりやすくなります。

AIDSの疑いがある場合は、血液によるHIV検査を実施します。抗HIV薬の服用によってウイルスが増えるのを抑えるのが一般的な治療方法です。

B型肝炎

B型肝炎は、体液や血液を通じてHBVウイルスに感染することで発症する肝臓の病気です。性行為では、性器同士の接触や性行為中の出血などが感染の原因になります。

1〜6ヶ月ほどの潜伏期間を経た後、食欲不振や吐き気、倦怠感、濃い色の尿といった症状が現れるでしょう。ウイルスに対処せず、6ヶ月以上の持続感染に陥った場合は慢性肝炎や肝がんに繋がることもあります。

検査は、血液検査によって行います。B型慢性肝炎の場合は抗ウイルス薬の服用や注射によってウイルスの増殖を抑えるのが基本的な治療方法です。B型急性肝炎は抗ウイルス療法を行わず、自然にウイルスが排除されるのを待ちます。

A型肝炎

A型肝炎は、HAVウイルスに感染することで発症する肝臓の病気です。HAVは排便中に排出されるため、性行為中に肛門に触れた手で口元を触ったり、肛門を舐めたりすることで感染します。

感染後は、2〜7週間の潜伏期間を経てから、疲労感や発熱、食欲不振といった症状が起きます。高齢者ほど症状が現れやすくなり、黄疸や肝腫大といった症状も現れるでしょう。

感染の有無は、血液検査によって判断します。特別な治療はなく、栄養バランスを保ち、下痢や嘔吐で失われた体液を補正しながら自然治癒を待ちます。

アメーバ赤痢

アメーバ赤痢とは、原虫(赤痢アメーバ)が体内に侵入することで起きる感染症です。赤痢アメーバは腸内に潜伏し、便と共に排出されるため、性行為中に肛門を舐めたり、肛門に触れた手で口元を触ったりすることで感染します。

潜伏期間は1〜4週間ほどで、下痢や血便、排便時の腹痛、発熱、嘔吐などの症状が現れます。悪化した場合は、腸に穴が空く腸穿孔になることもあるでしょう。

感染が疑われる場合は、便を採取して精密検査を行います。治療は、抗原虫薬を服用するのが一般的です。

HIV感染症

HIV感染症は、免疫不全を引き起こすHIVウイルスによる感染症です。性行為のほか、血液感染や母子感染も感染症の原因になります。

感染すると発熱などインフルエンザや風邪に近い症状が現れます。その後、全く症状のない無症候期を経て、1〜10年後にAIDSを発症する場合がほとんどです。そのため、HIVに感染してもすぐAIDSを発症するわけではなく、HIV感染症であるもののAIDSではない時期がしばらく続きます。

検査は、HIV検査を行うのが一般的です。感染がわかったら、抗HIV薬の服用によってウイルスの増殖を抑える治療を行います。

性病は予防が大切

性病にかからないためには、きちんと予防対策を行う必要があります。性病は誰でも感染する可能性があり、無症状が続くことも少なくありません。感染に気づかないでいると、知らないうちに病気が進行したり、ほかの人にうつしてしまったりといったリスクもあります。自分だけでなく周りの人を守るためにも、日頃から予防を意識することが大切です。

性病は、不特定の人との性行為が原因になることが多いといわれています。感染者以外の人なら性病がうつることはないため、特定の人以外との性行為は避けましょう。

また、性行為の際に避妊具をつけるのも有効な方法です。100%感染を防げるわけではありませんが、高い予防効果を期待できます。なお、もし感染の心当たりがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

まとめ

性病にはさまざまな種類があり、症状も多種多様です。長い潜伏期間を経てから初めて症状が出たり、無症状のままほかの人にうつしたりといったこともありますので、日頃からしっかりとした予防対策を立てましょう。

不特定の人と性行為をしない、性行為をする際には避妊具を着用するといった予防を徹底することで、性病に感染するリスクは減らせます。気になる症状がある場合はすぐに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けてください。

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