性病の再発防止のために知っておきたい知識と対処法とは

性病は種類によって完治しますが、完治しないものもあります。また完治しても再発しないわけではありません。しかし再発を防ぐための知識と対処法を理解していれば、感染リスクの大幅な軽減が可能です。

この記事では性病の再発有無や、再発する理由、6種類の性病の特徴、検査、治療法について解説します。

性病は再発するのか

性病は性病の種類の違いによって再発する可能性があります。以下表では、日本国内でみられる主な性感染病と再発リスクについてまとめました。

性感染症再発リスク
クラミジア完全治癒可能だが、再発リスクあり
淋病完全治癒可能だが、再発リスクあり
マイコプラズマ完全治癒可能だが、再発リスクあり
HIV・エイズ完治不可。再発リスク高め
梅毒完全治癒可能だが、再発リスクあり
性器ヘルペス完治不可。再発リスク高め
カンジダ完全治癒可能だが、再発リスクあり

性器ヘルペスとHIV・エイズは2023年6月現在、ウイルスを完全に排除する方法がないため、治療をして症状が収まったとしても、ウイルスは体内に潜んでいます。免疫機能が落ちるなど何かしらの原因によって再発リスクが避けられません。発症したら一生付き合っていかなければならない性感染症です。

一方、その他の性感染症に関しては、抗生物質などで完全治癒が可能です。しかし再発リスクがないわけではありません。再発リスクとして挙げられるのは、完治したのに感染しているパートナーからウイルスが移りまた再発してしまうピンポン感染や、内服薬の中断、治療中の性行為、不特定多数の方との性行為などです。

またカンジダは、上記に加えて免疫低下による再発リスクもあるといわれています。

把握しておきたい性病の知識

性病は健康な方でもかかりうる性感染症です。そのため、事前知識があるのとないのとでは、実際に感染してしまった場合に適切な対応ができます。それぞれの性病の特徴や感染経路、症状、検査法、治療法、予防法などを知って、リスクに備えましょう。

性病とは

性病(性感染症)とは、主に性行為を介して人から人へと伝播する感染症の種類です。ウイルス、細菌、寄生虫などのさまざまな微生物によって性病に感染し、性器や肛門、口腔に症状が発症します。ほとんどの性病の場合、無症状が多いため気が付きません。その状態で、性行為を繰り返すと相手方に感染したり、出産時に感染していると新生児に感染したりします。

症状や完治の有無、検査法、治療法などは性病の種類によって異なるため、それぞれの特徴を知っておくと良いでしょう。一方、予防法は共通してコンドームの使用など避妊する行動です。

クラミジア

クラミジアは日本の中で一番多い性感染症といわれていて、特に10〜20代の女性が多く感染しています。タオルや温泉などではほぼ感染せず、性器性交、口腔性交、肛門性交といった性行為が原因です。特にコンドームの使用が少ない口腔性交による咽頭感染が最近では増加傾向にあるといわれています。

男女ともにほぼ無症状で感染に気が付かず、知らぬまま症状が悪化したり合併症を併発したりして、ようやく気が付く場合が多いです。男性では精巣上体炎による残尿感や排尿困難、精巣の腫れ、また前立腺炎による発熱、前立腺の肥大化が現れます。女性では、骨盤内炎症性疾患による出血や下腹部の痛み、肝周囲炎による右季肋部痛、発熱、腹痛などが出現します。

HIV・エイズ

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が進行するとエイズ(後天性免疫不全症候群)になります。人によって異なりますが、HIVに感染してから2〜15年経つと、エイズに進行します。感染経路は、感染者との性行為や出産、針刺し事故など体液や血液を介した経路が主です。

HIVに感染して数週間経つと、インフルエンザでみられるような頭痛、発熱、咽頭痛、発疹が現れたり無症状だったりします。さらに重症化すると咳や下痢、発熱、体重の減少、リンパ節の腫れがみられ、放置すると癌腫であるリンパ腫やカポジ肉腫、重症疾患であるクリプトコッカス髄膜炎、結核、重症細菌感染症を併発します。

酵素免疫測定法や迅速診断検査で検査を行い、陽性であれば抗レトロウイルス療法を施すのが一般的です。抗レトロウイルス療法はWHOが推奨している治療法です。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が性行為によって感染する性感染症です。最近増えてきた性感染症として注目を浴びています。

梅毒にかかると潰瘍やしこり、鼠蹊部のリンパ節の腫れが出現したり、場合によっては無症状だったりします。症状が出たとしても、痛みを感じません。自然に腫れが収まったりしますが、病気が進行してしまう可能性もあるので、病院での治療は必須です。

そのまま放置して3ヶ月ほど経つと、全身に梅毒トレポネーマが行き渡ってしまい、体幹部や足の裏、手のひらなどに赤い発疹が現れたり肝臓・腎臓に症状を起こしたりします。さらに放置して数年経つと、骨や筋肉、皮膚にゴム腫ができたり心血管梅毒や進行麻痺、脊髄癆に進み症状も辛いです。

ただし、2023年6月の現在では抗生物質を正しく処方していると、数年経って症状が悪化していくことは珍しいとされています。

血液検査や核酸増幅検査で検査を行い、感染が確認されると抗生物質による治療の開始です。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、HSVと呼ばれている単純ヘルペスウイルスが性行為によって感染する性感染症です。ほとんどが無症状ですが、全身倦怠感や発熱、リンパ節の腫れ、性器の不快感やかゆみがある場合もあります。さらに水疱や潰瘍が出現すると、HIVウイルスに感染しているかもしれません。

治療によって症状が落ち着いても、ウイルスは体内に残り、時折再発します。体調不良などの免疫機能の低下が再発の引き金となることが一般的です。

性器ヘルペスは抗ウイルス薬による治療が可能ですが、2023年6月の現状ではウイルス自体を体内から排除する術はありません。感染したら再発防止のための対策やパートナーへの感染予防は常に意識しましょう。

カンジダ

カンジダは、真菌というカビの一種であるカンジダによる感染症です。人の体に住み着いている常在菌のため自己感染が多いものの、性行為によっても感染します。男性よりも女性に多く、症状は共通して排尿時痛、かゆみの発症、女性ではヨーグルト状のおりものの増加です。

皮膚擦過検査や尿検査(男性)、膣分泌物検査(女性)を行い、陽性であれば患部にクリームや軟膏を塗ります。常在菌ともあり再発リスクが高いため、免疫機能が低下しないような整った生活や体力をつける、デリケートゾーンを清潔に扱う、ストレスの軽減が必要です。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型、11型による性感染症で、世界中に蔓延しています。潜伏期間は3ヶ月程度で初期には自覚症状がありません。次第にかゆみ、疼痛、外陰部腫瘤、違和感、おりものの増加が症状として現れ、出産時に新生児に罹患すると喉頭乳頭腫を発症させる可能性があります。しかし、2〜3割は3ヶ月までに自然消滅します。

検査は視察やコルポスコピー検査が一般的で、治療法は、切除、電気メスによる焼灼、CO2レーザー蒸散法、液体窒素による凍結法などさまざまです。2023年6月現在、ワクチンは開発中で米国で試験がされています。

性病の検査について

性病の検査は感染しているかどうかを確認し、適切な治療を開始するための重要なステップです。早期発見と早期治療は、病気による不幸を防ぎ、再発を防ぐためにも重要です。自宅でできる検査キットから医療機関で行う方法などがあります。

自分で検査する場合

自宅で性病の検査を行う方法として、匿名でオンライン購入できる自己検査キットがあります。 これらのキットは、プライバシーを守りながらの確認が可能です。尿検査や膣内スワブ検査の道具が含まれています。

検査キットは一般的に、クラミジア、淋菌、カンジダ、トリコモナス、HIV、性器ヘルペス、梅毒、マイコプラズマといった性病の検出が可能です。結果はWEB上やメールで確認できることが多く、陽性であれば医療機関での治療を必要とします。

費用感としては、一般的に3,000円程度ですが、検査の種類により異なったり、2種類以上を検査できると割安になったりします。自己検査キットの利用は手軽さが魅力ですが、精度や信頼性は医療機関の検査に比べて劣る可能性があることには十分留意が必要です。

病院で検査する場合

病院で検査を行う場合、一般的には問診、診察、検査、結果報告の流れで行います。即日検査結果が出ることが多く、陽性であれば治療開始です。治療が終わった頃、再検査を行いウイルスなどがいないかを確認します。陰性であれば治療終了、陽性であれば再治療です。

病院で検査するメリットは安全で安心して検査・治療に臨める点と、専門知識や経験がある医師の判断を仰げる点です。ほとんどの性病は、完治しない間に性行為を行うとピンポン感染となってしまいますので、完治したかの判断を自分で行うことはリスクとなります。

費用はクリニックによって異なりますが、保険適用されれば1,000〜2,000円のケースが多いようです。

性病は自然に治る場合もあるのか

カンジダや尖圭コンジローマは自然治癒する可能性もありますが、クラミジアや淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ、トリコモナス症、梅毒は自然治癒しません。必ず治療をして完治させる必要があります。またHIV・エイズ、性器ヘルペスウイルスは治療をしても体内に残り続けるため、免疫機能が低下すると再発リスクが高まります。

性病の治療方法について

性病の一部は抗生物質などで治療可能ですが、完治が難しいものもあります。治療可能なものでも大切なのは自己判断ではなく、専門家の意見を求めることです。

自分で治す

軽度のカンジダ膣炎や尿道炎の対処療法として市販薬を使用する方法はありますが、性病の場合は完治が必要なため病院でしか処方されない治療薬が必要です。もし市販薬を使用して症状が収まったとしても、根本的な病原菌は体内に残っている可能性が考えられるでしょう。

市販薬を購入する場合、カンジダ膣炎・尿道炎いずれも1,000〜3,000円あたりが一般的です。

また市販薬に頼る前に、性病を予防するための避妊や免疫機能を落とさない生活習慣を日常的に行うことが重要です。定期的に検査を行うのも手段として有効でしょう。

医療機関で治す

病院で治す場合は基本的に抗菌剤の処方となりますが、HIVは多剤を併用する抗HIV薬が処方されます。治療にかかる費用は性病の種類や進行度、治療方法によって異なります。例えば、クラミジアや淋病、性器ヘルペス、カンジダ、トリコモナス、梅毒、コンジローマでは保険適用で1,000円~5,000円台です。

ただし自由診療範囲になると、8,000円以上などになる場合もあります。事前に確認しておきましょう。

またHIVなどの病気は特別な治療が必要で、保険適用の自己負担額で7万円ほどと治療費はかなり高額になります。また医療保険の適用や病院の診療料金設定により費用は異なるため、具体的な費用は申請する医療機関に問い合わせて確認しましょう。

性感染症を防ぐためには

性感染症を予防するためには正しい避妊具の使用、パートナーと一緒に定期的な検査を受けるなど日常生活での予防が重要です。もし感染してしまった場合には、ピンポン感染を防ぐためにもパートナーと同時に治療が必要です。性病は自分のみならず、パートナーや家族に大きな影響を与えますので、十分な注意が必要です。

まとめ

性病の予防や早期発見・早期治療のためには、それぞれの性病について基本的な知識を学び、もしもに備えておくことが大切です。共通した予防策、再発防止策としては、コンドームの正しい着用、不貞な性行為を辞める、定期的に検査をするなどがあります。しっかりとした対策を取り、性病が再発しないように努めましょう。

医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ

医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。

FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。

結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。

おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。

以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。