尖圭コンジローマの治療方法とは?治療にかかる費用や副作用についても紹介

尖圭コンジローマの治療方法とは?

尖圭コンジローマ(コンジローマ)は性感染症の1つです。性行為・あるいは性行為に類する行為によって感染し、性器にイボのようなものが発現するなどの症状があらわれます。

また、尖圭コンジローマは感染によって免疫力の低下につながる病気です。HIV感染症をはじめ、その他の病気への感染率も高まる恐れもあります。今回は性感染症の一種・尖圭コンジローマをテーマに特徴や感染原因・治療や予防について詳しく解説します。現在お悩みの方はもちろん、不安を抱えている方もぜひ最後までご覧ください。

尖圭コンジローマとは?

尖圭コンジローマとは性器周辺に腫瘍が出現する性感染症の1つです。

男性の場合は陰茎や包皮の表面に、女性の場合は大小陰唇や膣前庭の表面、共通して肛門など、性器周辺にイボ状の小腫瘍があらわれます。この腫瘍は先の尖った粒状の表面を持つ乳頭状・トサカ状・カリフラワー状のものが複数、または多発します。色はピンクや茶褐色であることがほとんどで、サイズは数mm〜数cm程です。

また、この病気は潜伏期間が長いことも特徴の1つです。症状に痛みやかゆみを伴わないことから、知らない間に腫瘍が広がり、悪化していることもあります。コンジローマは良性であることが多いものの、放置すると悪性化するリスクもあるため注意が必要です。

尖圭コンジローマの原因

尖圭コンジローマの原因は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」と呼ばれるウイルスの感染が原因で発症します。HPVは200種類以上の方が存在しますが、尖圭コンジローマを引き起こすHPVはそのうちの一部(約40種類ほど)です。

また、このHPVはさらにローリスク型・ハイリスク型の2種類に分かれます。ローリスク型は癌化するリスクが低く、ハイリスク型は癌化するリスクが高いものです。尖圭コンジローマに感染する方の約9割がこのローリスク型に該当するとされています。ただ、良性の割合が大きい病気だからといって油断してはいけません。感染したと疑われる場合は自己診断で終わらせずに、適切な検査・診察を受けることが大切です。

尖圭コンジローマの感染経路

さて、そんな尖圭コンジローマですが、具体的にどのような経路で感染するのでしょうか。主な感染経路、感染を誘発する行為として下記のものが挙げられます。

  • 性行為
  • 性行為に類似した行為
  • キス
  • 母子感染

性行為の場合、性器の摩擦によって皮膚や粘膜の小さな傷からHPVが侵入して感染します。

また、口腔内に尖圭コンジローマのイボがあった場合、キスによって感染する危険性もあります。口腔内に尖圭コンジローマは口内炎と見間違える場合もあるため、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

また、性行為以外の感染経路として母子感染によって発症するケースもあります。出産時に母親が感染していた場合、産道を介して子どもに感染する母子感染の危険性があり、まれに新生児の喉にイボができる「再発性呼吸器乳頭症」を発症します。このケースは場合によっては致死性が存在するため、充分に留意しなければなりません。

尖圭コンジローマの症状や潜伏期間

尖圭コンジローマの症状や潜伏期間

続いて、尖圭コンジローマの症状について確認していきましょう。罹患した方によって個人差はありますが、以下のような症状が発現します。

  • トサカのような尖った形のイボができる
  • 放置によってイボの数が増える
  • 放置によってイボのサイズが肥大する
  • 男女共に、初期段階では痛み・かゆみは基本的にあらわれない

このように、痛み・かゆみなどの目立った症状があらわれない点がこの病気の特徴です。口内炎などは痛みを伴いますが、尖圭コンジローマではそうしたことはありません。そのため、感染に気づかないまま症状が進行するケースも多くあります。

特に女性の場合は膣内部にイボが発症することもあり、目に見えて分かりにくい傾向があります。進行が進むと痛みやかゆみ、出血などの症状が出ることもあるほか、悪性化する恐れもあるため注意が必要です。なお、男女別の主な発症部位は以下のようになっています。

▼各性別の主な発症部位

男性陰茎の亀頭冠状溝包皮内外板陰囊
女性口腔内喉唇周辺小陰唇大陰唇膣前庭膣内部肛門

なお、この病気の潜伏期間は3週間〜8ヶ月程度とされています。不特定多数の方と性交渉の機会が頻繁にある方は、定期的な検査を受けるようにしましょう。

尖圭コンジローマの治療について

尖圭コンジローマは、治療可能な疾患です。ただし、再発の可能性も高く副作用が起こることもあるため、注意しましょう。ここでは、具体的な2つの治療法と、起こりえる副作用、治療にかかる費用について、ご紹介します。

尖圭コンジローマの治療方法

・外科療法

・薬物療法

上記2種類の治療法が存在します。代表的な外科療法としては、CO2レーザー蒸散法が挙げられます。塗り薬による治療で主に使われるのは、塗り薬による治療です。尖圭コンジローマは自然治癒するケースもありますが、大半のケースでは治療が必要となります。放っておかずに必ず医師による治療を受けるようにしましょう。

CO2レーザー蒸散法

CO2レーザー蒸散法は、高い治療効果が速やかに得られる治療法です。治療による周辺組織の損傷が少ないことが特徴で、治療部位からの出血も少なく済みます。治療は局所麻酔後に炭酸ガスレーザーで病変部を蒸散させることで行い、所要時間は約10〜15分前後。一度の治療で治療が終わるケースもあります。また、その他の外科療法としては、電気メスによる切除、液体窒素による凍結凝固が挙げられます。

塗り薬による治療

塗り薬による治療では、ベセルナクリーム(一般名「イミキモド」)を用いるケースが一般的です。当医薬品は尖圭コンジローマの治療薬として開発され、2007年に登場しました。比較的新しい外用薬ではあるものの治療効果は安定しており、「日光角化症」や「皮膚がん」の治療にも活用されています。

この方法では、該当部位のイボ・イボ周辺に軟膏を塗布することで治療が可能です。クリームによってウイルスの増殖を抑制しつつ免疫力を向上させ、ウイルスに感染した細胞をブロックする効果があります。外科療法に比べ時間はかかる一方で皮膚へのダメージを抑えられることが特徴です。治療法の選択にあたっては、皮膚へのダメージについて、医師に相談するとよいでしょう。

尖圭コンジローマの治療による副作用について

外科療法(電気メス手術、CO2レーザー蒸散法)と薬物療法(ベセルナクリーム)のそれぞれに副作用があります。電気メス手術、炭酸ガスレーザー蒸散手術の場合はやけどのような傷跡と、痛みが残る場合があります。べセルナクリームでは、傷跡は残りません。一方で、皮膚の赤み、かゆみ、ただれなどが生じる場合があります。どちらも時間の経過で消失するため、比較的デメリットの少ない治療法です。

尖圭コンジローマの治療費用

次に、気になる治療費用についてチェックしてみましょう。選ぶ治療方法や受診するクリニックによって費用は異なりますが、おおよそ3,000〜15,000円前後の範囲に落ちつくケースが多いようです。

薬剤による治療は比較的お手頃で、1,000〜2,000円代から処方を行っているクリニックも見られます。一方、外科療法は薬剤療法と比較して価格帯が高く、電気メスによる切除治療は4,000〜6,000円ほど、レーザー治療は4,900〜15,000円ほどに落ちついているようです。なお、一口にレーザー治療といっても病理検査を含む場合・病理検査をしない場合によっても費用が異なるケースがあります。診察をする際には事前にクリニックに確認するほか、セカンドオピニオンなども行ったうえで治療に臨みましょう。

尖圭コンジローマの検査について

尖圭コンジローマのような気がつきにくい病気は検査が有効です。定期的に検査をすることでリスクを最小限に留められます。ここからは検査方法にフォーカスして解説します。

尖圭コンジローマの検査方法

尖圭コンジローマの検査は大きく2種類、視診での診断とHPV検査によるものです。医師による視診は診断と共に行われるため、別途検査費用は基本的にかかりません。

対して、HPV検査は検査費用が必要です。当検査では綿棒などを用いて陰部・膣を擦り、HPVの有無を探ります。

尖圭コンジローマの検査費用

HPVの検査費用は種別毎に異なります。低リスク型・高リスク型の検査によって金額が変わるケースもあるほか、そもそも型判定を行うパターンではタイプ個別の検査よりも高く設定されている場合も散見されました。一般的な性病検査もスコープに含めると、おおよそ3,000〜20,000円程度の価格帯になるでしょう。

尖圭コンジローマの予防法

最後に、尖圭コンジローマの予防法についてご紹介します。

第一に挙げられる予防法が、性行為において適切な避妊具を用いることです。尖圭コンジローマに限らず、コンドームなどの避妊具を用いることで数多くの感染症を防げる可能性が高まります。しかし、一方で避妊具を用いたとしても100%の確率で防げるわけではありません。

こうしたリスクをさらに低減させる方法として、HPVワクチンを接種する手段もあります。

現在日本には、尖圭コンジローマに対して予防効果のあるワクチンが2種類存在します。

HPV6型・11型、子宮頸がんの原因ウイルスとされるハイリスク型HPV16・18型、合計4つのHPVタイプに対応できる「ガーダシル」、上記4つのHPVタイプに加え、HPV31・33・45・52・58の5タイプに対応可能な「シルガード9」です。

HPVワクチンと聞くと子宮頸がんの予防が頭に思い浮かぶ方も多いと思いますが、尖圭コンジローマの予防にも効果があります。セーフセックスを心掛けることはもちろん、こうした予防医学も視野に入れておきましょう。

まとめ

まとめ

近年は梅毒などの性感染症が流行しており、ニュースなどで取り沙汰されることも少なくありません。そうした中、梅毒・クラミジア・HIVなど症状が重くなりがちな性病にスポットが当たりがちですが、今回ご紹介した尖圭コンジローマのように症状が分かりづらく、気づきにくいものも少なくありません。しかし、尖圭コンジローマでは悪性化してしまうケースもあり、早期発見・早期治療が重要です。また、気がつきにくいからこそ、定期的な検査や予防策が欠かせません。

予防策として挙げたHPVワクチンやコンドームの装着は、尖圭コンジローマ以外の予防、およびリスク低減にも役立ちます。今回ご紹介した内容を参考に、身体を健康に保ちましょう。

医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ

医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。

FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。

結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。

おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。

以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。