尖圭コンジローマというウイルス性性感染症を聞いたことがあるでしょうか。この病気の疑いがある場合、通院して検査・治療を受けるのが一番です。しかし、通院の時間が取れなかったり、「違った場合に恥ずかしい」と考えてしまったりして、受診に踏み切れない方もいるでしょう。
この記事では、尖圭コンジローマについてや、通院ができない方のためにセルフチェックのポイントや検査キットを紹介します。検査方法を知りたい方や感染している心配のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
尖圭コンジローマとは
尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で起こるウイルス性性感染症です。感染すると、性器周辺に尖った小さなイボを発症します。このイボは痒みや痛みを伴う場合があり、また、感染したヒトパピローマウイルスの型によっては子宮頸がんにつながる可能性もある、厄介な性感染症です。
まずは尖圭コンジローマとはどんな病気なのかについてや、感染経路について解説していきます。
尖圭コンジローマはどんな病気?
尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は、おもに性交渉によって感染します。ヒトパピローマウイルスにはさまざまな型がありますが、尖圭コンジローマの原因となるのはおもに6型と11型です。まれに16型などでも原因となる場合があり、この場合は子宮頸がんなどへの進行リスクもあるため、非常に危険な病気です。
症状としては、以下があげられます。
- 性器周辺へのイボの発生
- 痒みや痛みの発生
- イボの発生による触り心地の違和感
- おりものの量が増えるなどの違和感
また、悪化した場合は以下の症状も発生します。
- イボの成長
- イボからの出血
尖圭コンジローマは世界中で発生がみられる感染症で、日本でも新規患者が発生しています。
尖圭コンジローマの感染経路
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性交または性交類似行為によって、皮膚や粘膜にある小さな傷から侵入、感染します。性感染症は性行為のみで感染すると思われがちですが、口の中に傷があった場合、キスでも感染の可能性があるでしょう。
また、まれに指などからでも感染することがあります。これは指にある小さな傷などを経由して感染するため、常に肌荒れをしている人や、アトピー性皮膚炎などで傷がある方は注意が必要です。
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扁平コンジローマとの違い
「コンジローマ」は本来ラテン語で、「皮膚にできるイボに似た、成長して大きくなる病変」という意味です。このイボの先が尖っている場合に「尖圭コンジローマ」と言い、尖っておらず平らであれば「扁平コンジローマ」と言います。
イボの先が異なるだけのように思えるかもしれませんが、この2つの病気は全くの別物ですので注意が必要です。
原因となる細菌・ウイルス | 病気 |
ヒトパピローマウイルス(HPV | 尖圭コンジローマ |
梅毒トレポネーマ | 扁平コンジローマ |
つまり、扁平コンジローマは梅毒の症状になります。
尖圭コンジローマの症状とは
尖圭コンジローマに感染すると、性器周辺に尖った小さなイボを発症すると紹介しました。とはいえ、性器周辺に小さなイボのできる病気すべてが尖圭コンジローマではありません。
尖圭コンジローマ独自の特徴としては、以下があげられます。
- トサカ状・乳頭状と例えられる尖ったイボができる
- 痒みや痛みを伴っている
- 放置すると増大する
- イボ同士でくっつく
ここからは尖圭コンジローマの潜伏期間や、男女別の具体的な症状について解説していきます。また、似たような症状で間違えやすい病気も紹介しますので、セルフチェックをしたい方は参考にしてください。
潜伏期間はおよそ3週間~3ヶ月程度
尖圭コンジローマの潜伏期間は、およそ3週間~3ヶ月だと言われています。
また、発症しても全員が痛みや痒みを覚えるわけではなく、特に初期段階は痛みや痒みはあまりありません。尖圭コンジローマは自覚症状に乏しいのが特徴で、「触った際に違和感に気づく」「おりものが増えて違和感を持つ」など、ふとした時に気づく方が多いようです。
以下では、性別ごとの具体的な症状を解説していきます。
女性の症状
女性に尖圭コンジローマが発症した場合、イボができるのは以下の位置です。
- 膣内
- 膣前庭
- 大小陰唇
- 子宮口
- 肛門やその周辺
- 尿道口
- 口内やその周辺
尖圭コンジローマのイボは良性腫瘍に分類され、痛みや痒みを伴わない場合もあります。また、20〜30%の方は自然に治癒することもあるようです。
注意点として、尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)にはいくつかの型があり、この型によって「低リスク型」「高リスク型」が存在します。
女性が高リスク型の16型などに感染していた場合、子宮頸がんの発症要因にもなりえます。痛みや痒みを伴わなく、早めの治療が必要ないように感じていても、できるだけ早く通院や治療をするようにしましょう。
男性の症状
男性に尖圭コンジローマが発症した場合、イボができるのは以下の位置です。
- 陰茎の亀頭部
- 冠状溝
- 包皮内外板
- 陰嚢
- 肛門やその周辺
- 尿道口
- 口内やその周辺
男性の場合も女性と同じく、痛みや痒みを伴わない場合もあります。また、20〜30%の方は自然に治癒することもあるようです。
自然に治癒しなかった場合、イボの痛みや痒みは強くなる可能性が高いでしょう。そうなるとイボ自体も大きくなったり、出血を伴ったりする場合もあります。
特に性器に異変を感じた場合、自然治癒を期待せずになるべく早めの通院や治療がおすすめです。
尖圭コンジローマに似ている病気
尖圭コンジローマの症状に非常によく似ており、場合によっては医師も診断を間違える病気について解説していきます。見分ける際のポイントを解説していきますので、セルフチェックをしたい方は参考にしてください。
以下3つが、尖圭コンジローマと非常によく似ている病気です。
- 真珠様小丘疹
- フォアダイス
- 包皮腺
真珠様小丘疹は男性の場合は亀頭の冠状溝にでき、女性の場合は膣前庭から小陰唇にかけて左右均等にできるのが特徴です。
フォアダイスはおもに男性の陰茎部分にできる小さなイボです。包皮腺はタイソン腺とも呼ばれ、裏スジ部分にイボができます。
これら3つの症状に共通する、尖圭コンジローマとの違いは以下です。
- 性感染症ではなく生理現象
- がんになる可能性はない
- 痛みや痒みはない
- イボの大きさが均等
セルフチェックの際は、イボの大きさが均等かどうかを確認すると判別しやすいでしょう。また、尖圭コンジローマのイボは尖っていますが、これら3つの症状で出るイボは表面が丸く、尖っていない点も特徴です。
尖圭コンジローマの検査とは
尖圭コンジローマの疑いで病院に行った場合、まずは検査の必要があります。その際、どんな検査をするのかや、痛みはあるのか、値段はどのくらいかかるのか?と不安な方もいるでしょう。
検査方法は、おもに以下の2つがあります。
- 視診
- 皮膚拭い検査
ここでは、上記2つの検査内容について、それぞれ詳しく解説していきます。
視診で終わることが多い
尖圭コンジローマはイボの形が特徴的であり、視診で判断が付きやすいことから、ウイルス検査などはせず視診で終了することが多くあります。
この場合、検査費用はかかりませんので、診察料金は比較的安価に済みます。
また、女性の場合は産婦人科、男性の場合は泌尿器科や皮膚科などで検査可能な場合が多いですが、対応していない病院もあります。受診前に電話などで、検査が可能かの確認を取ると安心です。
皮膚拭い検査は必要時のみ
希望があった場合などは、綿棒などによる皮膚拭い検査がおこなわれます。綿棒で陰部や膣を拭うことによって、ヒトパピローマウイルス(HPV)の有無や型を確かめる検査です。
この検査は1週間ほどで結果が判明し、検査料金は1万円前後の場合がほとんどです。
自分で検査する方法はある?
尖圭コンジローマの疑いがある場合、病院に行って検査や治療を受けるのが一番です。しかし、病院に行く時間が取れなかったり、行く前に自分で検査しておきたかったりする方もいるでしょう。
そういった場合は、検査キットでの検査がおすすめです。
尖圭コンジローマの検査キットは医療メーカーなどからネットで購入できます。購入後は、各サイトに記載されている内容に従って検査をおこないましょう。
ただし、尖圭コンジローマは感染症であり、放置すると悪化の可能性もあります。陽性の結果が出た場合は、病院で治療を受けましょう。
尖圭コンジローマの検査費用は?
尖圭コンジローマの検査費用は、どの検査をしたのかによって異なります。
視診のみ | 1,000円ほど |
皮膚拭い検査 | 10,000円ほど |
薬の処方 | 2,000円ほど |
視診のみの場合は比較的安価に済みますが、初めて行く病院の場合は初診料がかかりますので、覚えておきましょう。
また、症状があって受診する場合は保険適用となりますが、見た目の異常や症状がなく、不安感から受診した場合は保険適用外となります。この場合は支払う費用が高額になってしまいますので、不安感から受診する場合は注意しましょう。
尖圭コンジローマの予防方法
ヒトパピローマウイルス(HPV)は現状完治の方法がなく、一度感染すると一生付き合っていかなければなりません。そのため、予防が大切だと言えます。
ここからは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、尖圭コンジローマの予防法を2つ紹介していきます。感染予防のためにも、ぜひ参考にしてください。
コンドームを適切に使用する
尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は、おもに性行為時に皮膚や粘膜にある小さな傷から感染します。そのため、感染予防にはコンドームの使用が効果的です。
しかし、コンドームがズレてしまう可能性などはもちろん、キスで口の中の小さな傷から感染する場合や、アトピー性皮膚炎などの傷から感染する場合もあります。コンドームを付けていたとしても、「100%安全」とはならない点に注意してください。
ワクチンを接種する
ヒトパピローマウイルス(HPV)の予防として最も効果的なのが、ワクチンの接種です。HPVワクチンの推奨接種年齢は男女ともに16歳までですが、16歳を過ぎてしまった場合やすでに性交渉の経験があったとしても、26歳までのワクチン接種が勧められています。
また、小学6年生から高校1年生の女性は、無料でのワクチン接種が可能です。さらに1997年4月2日~2006年4月1日生まれの女性は、2022年4月から2025年3月までの3年間、接種機会を逃した人のキャッチアップ接種として無料でワクチンが受けられます。
その他の年齢・性別の方のワクチン接種についても、自治体によっては費用の助成が受けられますので、気になる方はお住いの自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
尖圭コンジローマは医療機関で治療する
尖圭コンジローマのイボは自然に治癒することもありますが、自然に治癒しなかった場合は悪化する傾向にあります。放置した場合、症状悪化や子宮頸がんへの進行など、非常にリスクが大きい病気です。そのため、尖圭コンジローマになっていることが判明した場合はなるべく早くの受診をおすすめします。
治療時の注意点として、潜伏期間の長さがあげられます。自分が完治してもパートナーが完治していなかった場合、再度感染の可能性があるのです。パートナーがいる方で尖圭コンジローマの診断をされた方は、パートナーにも通院してもらう必要が高いでしょう。
また、潜伏期間の長さの関係で、治療期間も長くなりがちです。基本的には、症状完治後に半年間症状が出なければ、完治と考えられています。治療の際は、通院期間が比較的長くなることを把握しておきましょう。
まとめ
尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は、非常に厄介なウイルスです。
尖圭コンジローマ自体は治療などにより完治が可能ですが、ヒトパピローマウイルス(HPV)は現状完治の手段がありません。そのため、感染予防にコンドームの着用や、ワクチンの接種をすることが大切です。
また、尖圭コンジローマかもしれないと思った際は、医療機関を受診しましょう。確信が持てない場合は、セルフチェックや検査キットの利用がおすすめです。
放置すると悪化の可能性があり、感染拡大や子宮頸がんにつながる恐れもあります。放置は避け、なるべく早く適切な治療を受けるようにしましょう。
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