低用量ピルは飲み方によって生理日のコントロールが可能です。次の生理が大事な日と重なりそうな方や、週末に生理が来ないようにしたい方にとっては知っておきたい方法ではないでしょうか。
ここではすでにピルを飲んでいる方で生理日のコントロールをしたい人向けに、低用量ピルのアンジュ28を使った生理日の移動方法や実際の飲み方、アンジュ28の効果や副作用などについて説明します。
生理日の調整に役立つ「アンジュ28」とは
アンジュ28は低用量ピルの一つで、第二世代、3相性(そうせい)、28錠タイプのピルです。
第二世代とはレボノルゲストレルが配合されたピルのことで、第一世代より副作用が出にくくなっています。
3相性とは、ピルを服用する21日間で女性ホルモンの配合量が変わるタイプのことです。3段階で配合量を変えることで生理周期に近い自然なホルモンバランスを再現しており、第二世代のピルは全て3相性となっています。
外見上は段階ごとでピルが違う色になっており、アンジュ28は赤褐色のピルが6錠、白色が5錠、黄色が10錠、赤色の偽薬が7錠で構成されています。
偽薬が含まれていないアンジュ21も存在しますが、休薬期間中の日数を数え間違うかもしれない方はアンジュ28のほうがよいでしょう。
アンジュ28の効果
アンジュ28には低用量ピルの一般的な効果である避妊効果・生理日のコントロール・月経困難症や月経前症候群(PMS)の改善などに加えて、肌荒れやニキビの改善が期待できます。
避妊効果については、アンジュに含まれる女性ホルモンによって卵胞の発育が抑制されて子宮内膜が薄くなり、着床が阻止されることが考えられます。月経困難症やPMSについても、排卵が抑制されることからホルモンバランスが整えられ、改善が期待されます。
生理のときに分泌される黄体ホルモンには、皮脂分泌を促す効果があるためニキビができやすくなるのですが、アンジュを服用することで黄体ホルモンの分泌が抑制され、ニキビや肌荒れの予防につながります。
一方でアンジュは男性ホルモン作用が強く出るため、結果的にニキビが出やすくなる方もいます。
アンジュ28で生理日を調整する方法
ピルのなかにはプラノバールという中用量ピルや、トリキュラー、ラベルフィーユといった低用量ピルなど生理日の移動に使われるものがいくつかあります。ここではアンジュを例にとって、どのように生理日を移動させるのか説明します。
生理日を早める方法
アンジュ28で生理日を早める場合は、3相性のなかでもホルモン量の多い黄色のピルの飲み方を変えます。
早めたい日数分だけ黄色のピルを飲まず、休薬期間に入りましょう。休薬期間中に生理のような消退出血がきたら、次のシートを開始します。
生理日を遅らせる方法
生理日を遅らせる場合も同じく黄色のピルの飲み方を変えます。
1日1錠で21錠を飲み切ったら、次のシートにある黄色のピルを遅らせたい日数分服用し、休薬期間に入ります。
もし黄色のピルの錠数以上に日数を遅らせたい場合は、予備シートにある赤褐色のピルを服用します。遅らせることができる日数は長くても10日ほどなので注意しましょう。
休薬期間中の7日間で偽薬を飲み終えたら次のシートを開始します。
アンジュ28の価格
自由診療となり保険が適用されないため、1ヶ月分(1シート)あたり2,200円〜2,500円など医療機関で多少の差があります。この費用に診察料や検査費用などが加わります。
他のピルでは月経困難症やPMSの治療のためであれば保険適用となり、少し安価になるケースがありますが、アンジュの場合は使用目的が避妊であり、保険が適用されません。
アンジュ28の服用がおすすめな人の特徴
アンジュは自然なホルモンバランスを保ちやすいように女性ホルモンを配合しているため、不正出血が起こりにくく、初めてピルを飲む方にはおすすめです。
また、主成分にレボノルゲストレルが使用されており、頭痛や吐き気などの副作用も出にくくなっています。
生理日を早くしたり遅くしたりもできるため、生理周期をコントロールしたい人にも適しているでしょう。
肌荒れやニキビについては、男性ホルモン(アンドロゲン)の作用が強く出る場合もありますが、黄体ホルモンの作用を弱めることから改善が期待できる点もあります。
アンジュ28で生理日を調整する際の注意点
では、アンジュ28で生理日を調整するときに注意すべきことはあるのでしょうか。
ここでは、吐き気や頭痛などの副作用、血栓症の可能性について説明します。
吐き気や頭痛を感じる場合がある
服用初期では吐き気や頭痛などが現れることがあります。ただし、服用を続けることによりおさまることも多いです。
他には、不正出血、吐き気や嘔吐、乳房の張り、気分がすぐれないことが挙げられます。どの低用量ピルにも一般的に言えることですが、数ヶ月たっても症状がおさまらない場合や悪化してしまうときは、そのピルが体質に合っていない可能性もあるため一度医師に相談しましょう。
副作用と思っていたら病気が原因だったというケースもあるため、注意が必要です。
血栓症を引き起こす場合がある
ピルに含まれる卵胞ホルモンには血を固まりやすくする作用があることから、重大な副作用として血栓症リスクの増加が挙げられています。割合としては年間1万人のうち1~5人が血栓症になると言われているところ、ピルを服用されている方は3~9人になると言われているため、留意しておきましょう。
血栓症のリスクから、喫煙者や肥満の方、肝機能が低下している方、ピルと併用できないお薬を飲んでいる方はピルの服用ができない場合もあります。生活習慣等で気になることがあれば医師に確認しましょう。
また、血栓症が起こる場合はピル服用から3ヶ月〜6ヶ月の間に起こりやすいと言われています。
この期間は初期の血栓症でみられる足の痛み・痺れ・むくみ、頭痛やめまい、胸やお腹の痛みなどには注意が必要です。
ピルによる血栓症は、早めの治療で命には影響しにくくなるものと考えられていますので、症状があったらすぐに医師へ相談できるよう準備しておくことが大切です。
飲み忘れた場合は前回から24時間以内に服用する
1錠分の飲み忘れであれば、気づいたときに1錠を飲み、その次の服用は毎日飲んでいる時間帯に飲みます。この場合、結果的に1日に2錠飲むことになったとしても問題はありません。服用の時間帯が2時間~3時間ほど前後してしまってもピルの効果に大きな影響はないため、気にせず服用しましょう。
24時間以上飲み忘れると、ピルから得られていた女性ホルモンがなくなり消退出血が始まってしまう可能性があるため、一度服用をストップすることになります。この場合、消退出血が終わったあとに次のシートを飲み始めます。
ピルを2日飲み忘れると排卵が再開してしまい妊娠する可能性があります。2日以上飲み忘れた日から、服用開始後1週間が経つまではピルの避妊効果が十分とはいえないため、注意しましょう。
飲み忘れ以外にも、サプリや他のお薬を飲んでいる方は飲み間違いに注意が必要です。
まとめ
アンジュ28について、生理日を調整する方法や効果、注意すべき事について紹介しました。
アンジュ28は第一世代より副作用がおさえられた第二世代のピルです。ホルモンの配合量が3段階で変化する3相性のピルであり、自然なホルモンバランスを再現していることから初めてピルを服用する方に向いています。
生理日を早めるときは、早めたい日数分につき黄色いピルを残して休薬期間に入ります。遅くしたいときは次のシートの黄色いピルから遅めたい日数だけ服用し、休薬期間に入ります。
他の低用量ピルと同じく、副作用が起こる可能性や血栓症リスクの増加があるため、こちらも理解したうえで服用を始めましょう。