【医師監修】不妊症にもつながる?膣トリコモナス症の症状と感染経路などを紹介

膣トリコモナス症という感染症をご存知でしょうか?

膣トリコモナス症は、名称から女性だけが感染するものと思われるかもしれませんが、男性にも感染する病気です。放置をすると不妊症にもつながる可能性があるので早めの治療が重要です。

今回は、膣トリコモナス症の症状や感染経路などを紹介します。

膣トリコモナス症とは

膣トリコモナス症の原因なる病原体は原虫と呼ばれる微生物の仲間です。原虫はゾウリムシのような微生物であり、原虫が性器に感染することで発症します。性行為によって感染することが多いので性感染症に分類されています。

男性にも感染する病気ですが、無症状であることが多いといわれています。女性では、50〜80%の方に症状があらわれ、女性が気づくことの多い病気です。

膣トリコモナス症の症状は?

膣トリコモナス症の症状を知ることで、早めに対処することができます。治療せずに放置していると、不妊の原因にもなります。衛生的にも好ましくないので早期の治療が大切です。また、治療をして一度は治っても再発することもあるので注意してください。こちらでは、膣トリコモナス症にあらわれる症状を解説します。

男女で症状が異なる

膣トリコモナス症は、男女で症状のあらわれかたが異なります。

男性の場合、症状があらわれず無症状のことが多いとされています。しかし、男性でも尿道炎や前立腺炎を起こし排尿痛などの症状を呈すことがあります。男性では、自覚症状が少なく女性に対して無自覚に感染させていることあるため、早期の治療が重要です。

女性の場合は、症状は多様ですが、ほとんどの場合に症状があらわれます。

おりものがにおう

おりものに変化があらわれます。泡状おりものが増えたり、色が黄色や黄緑色になったりします。また、おりもののにおいがきつくなることもあり、おりものの変化に気がついた場合には注意が必要です。

かゆみや痛み

膣トリコモナス症に感染するとおりもの変化だけでなく、かゆみや痛みがあらわれることがあります。膣が赤く腫れ、外陰部や膣にかゆみや痛みを感じたり、性交時や排尿時にも痛みが感じます。

膀胱や尿道にも炎症が起きる

膣トリコモナス症は、膣だけでなく膀胱や尿道にも感染することがあります。膀胱や尿道炎の原因にもなります。膀胱炎だと思っても性器に異変がある場合には自身で判断せずに医師に相談した方がいいでしょう。

治療せずに放置すると将来の妊娠に問題が起きる

膣トリコモナス症を治療せずに放置していると不妊症になることがあります。

感染初期は、外陰部や膣への感染が中心ですが、時間の経過とともに原虫が移動して卵管や子宮頸管などに炎症を起こします。卵管や子宮頸管の炎症を放置していると卵管が詰まってしまうこともあり、不妊症や流産、早産につながることがあるので注意が必要です。

将来の出産のためにも、できるだけ早めの治療が重要です。

膣トリコモナス症の感染経路

膣トリコモナス症の感染経路を知ることで対策が可能です。こちらでは、膣トリコモナス症がどのように感染するのか、感染経路を紹介します。

性行為

膣トリコモナス症の主な感染経路は性行為です。コンドームなどの避妊具を使用せずに性行為を行った場合には感染リスクがあります。男性では、自覚症状が少ないため知らないうちにパートナーを感染させている可能性もあります。そのため、気になることがあれば性行為をしないで受診をした方がいいでしょう。

母子感染

稀ですが、出産時の母子感染も感染経路として存在します。

下着やタオルからも感染する可能性がある

膣トリコモナス症は、性行為の経験がない女性や小さい子どもから感染者が見られることがあり、性行為以外にも注意するべき感染経路があります。下着やタオルの共用や浴槽、便器、プールなどからも感染する可能性があります。しかし、性行為以外の感染経路から感染する可能性は低いた め、基本的には性行為に注意した方がいいでしょう。

膣トリコモナス症の対策法

膣トリコモナス症の主な感染経路は性行為であるため、そのの性感染症と対策は同じです。こちらでは、膣トリコモナス症の対策法を紹介します。

コンドームの使用

性行為によって感染することが多いため、コンドームを使用することで膣トリコモナス症は予防できます。男性は感染に気づいていない可能性もあるので、コンドームを適切に使用して性行為をしてください。

信頼できるパートナーに限定する

不特定多数との性行為は、膣トリコモナス症だけでなくそのほかの性感染症の感染リスクも高くします。そのため、性行為は信頼できるパートナーに限定することが重要な対策法です。

タオルなど共用しない

可能性は低いですが、タオルなどの共用によって膣トリコモナス症に感染することがあります。膣トリコモナス症の病原体である原虫は、乾燥した環境には弱いですが、水中や水分を多く含むところでは感染力が強くなることがあるので注意が必要です。そのため、不特定多数の方が利用するタオルを共用しない方がいいでしょう。

気になることがあれば医療機関へ

膣トリコモナス症は、男女ともに感染しますが、症状のあらわれかたが異なります。男性では、自覚症状がない場合も多いです。そのため、パートナーに対して膣トリコモナス症を感染させてしまうこともあるので注意が必要です。女性はおりものの異変や性器のかゆみや痛みがあらわれるので、少しでも気になることがあれば早めに医療機関へ受診してください。

男性の場合には、泌尿器科や性病科に、女性の場合には、婦人科や性病科に受診するといいでしょう。

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参考文献

  • 性感染症診療ガイドライン膣トリコモナス症 日本感染症学会
  • 産婦人科診療ガイドライン2020 婦人科外来編 日本産科婦人科学会