咽頭淋病は自然治癒しない|原因や症状、治療方法を解説

淋病は主に性行為で感染する性病の一種ですが、咽頭に淋菌が感染すると、咽頭淋病と呼ばれます。

この記事では咽頭淋病にかかる原因や、検査・治療の方法について解説します。かかってしまった可能性のある方、もしくはかかる前に知っておきたい方はぜひ参考にしてください。

咽頭淋病とは

淋病は主に性行為を感染経路とする、性病の一種です。一般的には性器への感染が多く見られますが、キスでも感染するため、咽頭にも発症することがあります。

この咽頭に感染した淋病が咽頭淋病です。咽頭淋病は、無症状または軽症であることも多く、感染に気が付かないケースがほとんどです。少しでも喉に違和感があったら検査をしてみてください。咽頭淋病は自然治癒しないため、軽症だからと放置しておくことは危険です。

咽頭淋病にかかった場合、喉の腫れや痛み、イガイガ感、詰まった感じがする、咳や痰が出る、発熱するなどの症状が出ることがあります。これらは風邪の症状と似ているために見過ごしてしまう可能性が高いものです。性行為後から症状が出るようになった場合は、咽頭淋病を疑ってみてください。

感染原因

淋病は淋菌という細菌による感染症です。

淋菌は粘膜内でしか生きられないため、日常生活での感染力は低いです。コップやタオルなどを介しての感染はほとんど心配いりません。

淋菌の感染原因としては、性行為によるものが大多数を占めています。その他の感染経路としては、出産の際の母子感染です。

性行為による感染

咽頭淋病は、粘膜にいる淋菌が喉に付着することで感染します。

性行為の中でもオーラルセックスでの感染が多く、避妊具を使わずにオーラルセックスを行った場合の感染率は30%~50%です。

ディープキスでも感染し、感染率は40%以上と、オーラルセックスと同程度の感染力といわれています。

性器以外でも、粘膜の接触であれば肛門、直腸などからも感染します。

その他の感染経路

性行為による感染が主な感染経路ですが、その他の経路としては母子感染が挙げられます。母子感染とは、細菌が妊婦である母親から、出産前の子供に感染することです。

 出産時に産道で咽頭淋病に感染してしまうリスクがあるため、妊娠中に淋病の感染が確認された際には、出産前に治療して完治させることが大切です。咽頭淋病に感染した状態での妊娠は、流産や早産の可能性が高くなってしまいます。

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咽頭淋病を放置するリスク

咽頭淋病は自然治癒しません。

それどころか、無症状や軽症だからといって放置していると症状が悪化し、扁桃炎や咽頭炎の原因にもなりかねません。また、咽頭から性器へと感染を広げてしまうことにも注意しましょう。

淋病が男性の性器に感染した場合であれば、排尿痛や尿道から膿が出てくるなどの症状があるため、比較的気づきやすい傾向にあります。

しかし、女性の場合は無症状であることも多く、気づかずに放置して上行感染になる可能性があります。上行感染というのは膣や子宮頸管の菌が子宮内へと侵入し、子宮外妊娠や不妊症の原因になり得るものです。

放置していても悪影響を及ぼすばかりですので、異変を感じたら必ず診察・治療を受けましょう。

淋菌感染症の検査方法

淋菌感染症にはさまざまな検査方法があります。ここでは5つの検査方法を紹介します。

なお咽頭淋病についてはうがい液を用いて調べる方法が一般的です。うがい液で調べる2時間前には飲食やガムを噛む、うがい、歯磨きなどを避けましょう。

Taqman PCR法

DNAを抽出して検査をする方法です。Taqman PCR法では細菌の遺伝子の一部をコピーして増やします。

検体の調査を専門機関が行うため、結果がわかるまでに時間がかかります。

初尿・ぬぐい液・うがい液などを使用して、淋病に感染しているかを調べます。

TMA法

TMA法は病院などの医療機関で専門の機器を用いて検査をします。症状がない状態でも検査をすることが可能です。

咽頭淋病の場合はうがい液を使用して感染を調べ、その他の場合は性器や肛門なども調べられます。

検査は非常に早く、遅くとも翌日までには検査結果が出ます。

SDA法

SDA法もTMA法と同じく、症状がない状態でも検査できる方法です。

しかし、病院ではなく検査してくれる会社に委託するため、検査結果が出るまでに2日間から7日間と、少々時間がかかることが特徴です。

うがい液の他、尿検査やぬぐい液を用いて調べられます。

IDEIA PCEChlamydia法

IDEIA PCEChlamydia法は、「イムノクロマトグラフィー法」という検査キットを用いて行う簡易検査方法です。咽頭淋病ではなく尿道炎が起きた際に検査します。

簡易検査のため即日で結果が出ることが特徴です。

Real-time PCR 法

Real-time PCR法はTaqman PCR法と比べると、淋菌がどのくらい増えているかを観察できる手法です。また、DNAではなくRNAを利用して検査をするため、感度の高い結果が出せます。

咽頭淋病の場合はうがい液を用いますが、他にも尿や子宮頸管を利用して検査をすることが可能です。

検査結果が出るまでには3〜5日程度かかります。

検査結果が出るまでの期間

検査方法によっても異なり、即日に検査結果が出る検査もあります。 通常検査でも1〜2週間程度を見ておきましょう。

しかし、通常の検査の場合でも感染から60日が経過していないと、うまく結果が出ないことがあります。違和感があったらなるべく検査を受けるべきですが、感染機会の疑いのある日があれば、その日からある程度の時間がたってから検査をするとよいでしょう。

咽頭淋病の治療方法

咽頭淋病は自然治癒しません。検査で陽性になった場合は、薬物療法を行うことになります。

主に臀部に筋肉注射する「トロビシン」と点滴する「ロセフィン」という2種類の薬があり、咽頭淋病の場合は後者が主な治療法です。ロセフィン点滴はだいたい5分~10分程度行い、1度の治療でも効果が見込めます。

ただし淋菌に抗生物質への耐性がある場合は1度の治療で完治することはないため、再検査をして陰性になっているかを調べることが大事です。

ピンポン感染に注意

例え自身が治療しても、パートナー側が感染したままでは自身にも再び感染してしまい、また検査と治療を行わなくてはならなくなります。このような感染の仕方をピンポン感染と呼びます。

淋病感染が疑われる場合はパートナーに相談し、一緒に検査・治療を受けることをおすすめします。

打ち明けるには勇気が必要かもしれません。しかし、放っておくといつまでも治らず悪化する危険性が高いです。お互いの体を守るために、勇気を出して話し合いましょう。

まとめ

咽頭淋病は主に性行為で感染し、自然治癒しない病気です。放置していると危険性が増すため、症状が軽いからといって放置するのは厳禁です。もし疑わしい症状があるのならば検査をしてください。無症状であっても定期的に調べてみることをおすすめします。

淋菌の検査には当日に結果がわかるものもあり、治療も1度で終わります。早期に感染が判明すれば治療の難しくない病気です。恐れずに検査を行い、健康に過ごしましょう。

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