ヒトパピローマウイルスは男性も要注意!治療法についても解説

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、男性も感染する可能性のあるウイルスです。男性が感染した場合、尖圭コンジローマや肛門がんなどのリスクがあるといわれています。

この記事ではヒトパピローマウイルスの症状や治療法などを解説します。ヒトパピローマウイルスについて詳しく知りたい方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ヒトパピローマウイルスとは

ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus:HPV / ヒト乳頭腫ウイルス)とは、性器やその周りに乳頭腫(イボ)を作るウイルスのことです。粘膜に感染するタイプと皮膚に感染するタイプがあり、現在までに100種類以上の型が発見されています。

感染者の多くは自然に治癒するものの、特定の型に持続感染すると子宮頸がんや膣がん、肛門がんといった病気の原因になります。ウイルスに感染したら必ずがんになるわけではありませんが、性交渉経験がある女性の5割以上は生涯に一度感染すると考えられているため、リスクを把握し、適切な予防対策を立てておくことが大切です。

ヒトパピローマウイルスは男性も感染する

ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんのイメージが強いので、女性しか感染しないと誤認されがちですが、実は男性も感染し、尿道や陰茎、咽頭などに病変が現れます。性交渉を経験したことのある男性のうち9割以上が感染するといわれており、男性にとっても無視できないウイルスです。

ウイルス感染後、自覚症状のないままだと、知らないうちにパートナーにうつしてしまうかもしれません。感染を広げないために、男性もヒトパピローマウイルスについて学んでおく必要があります。

男性が感染したときの症状

男性がヒトパピローマウイルスに感染した場合、症状が現れるのは稀であるものの、特定の型に感染すると、性器や皮膚にイボが現れる尖圭コンジローマを発症することがあります。

尖圭コンジローマは、イボ以外の症状が生じることはほとんどありません。しかし、病変が目に見えるかたちで現れるため「人に見られたら嫌だ」と感じて精神的な負担になるほか、イボが大きくなり痛みを伴うこともあります。

また、高リスクタイプの型に感染すると、肛門がんや陰茎がん、中咽頭がんを発症する恐れもあります。

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感染経路

ヒトパピローマウイルスの主な感染経路は、以下の通りです。

  • セックス
  • アナルセックス
  • オーラルセックス
  • 上記に類似した性行為

通常の性行為だけでなく、肛門や口を使った性行為でもウイルスに感染するリスクがあります。また、性器を挿入しなくても、皮膚が接触することで感染する可能性も否定できません。

一方で、性的な接触を伴わずウイルスに感染する確率は極めて低いといわれています。温泉や湯船、プールでウイルスに触れても、まず感染することはないと考えられています。

治療方法

ウイルス感染が発覚したら、適切な治療を受ける必要があります。そこで、こちらでは治療方法について解説します。

免疫系が健全であれば自然治癒する

ヒトパピローマウイルスは、感染しても症状が出ない場合が多く、免疫系が健全であれば感染者の7割は1年以内、9割は2年以内で自然治癒するといわれています。

がんに発展する高リスク型のウイルスは16型や18型のほかに13種類ありますが、一過性の感染で済む場合が大半です。そのため、ウイルスに感染したことに気づかないまま治癒するケースも珍しくありません。

ただし、感染者の1割は感染状態が続くことがあります。10年以上の持続感染を経たあとに細胞異常が発生し、一部はがんになる恐れがありますので、決して侮ることのできないウイルスです。

レーザーや手術

尖圭コンジローマを発症し、イボが現れたときは外科治療と薬物治療を行います。

外科治療では、液体窒素で患部を凍結させたり、レーザーや電気メスを使ったりするのが一般的です。液体窒素による凍結は、1~2週間に1回の頻度でイボがなくなるまで根気強く治療を続ける必要があります。

レーザーの場合、一度で治癒する確率は7〜8割ですが、凍結治療と比べて短期間で治療が終わるため、時間をかけたくない方によいでしょう。なお、治療には痛みを伴うため、イボの大きさや数によって全身麻酔か局所麻酔を実施します。

外用療法

尖圭コンジローマで薬物治療を行う場合は、軟膏を使うことになります。代表的な軟膏の種類としては、イミキモド、薬物ポドフィロトキシン、シネカテキンス、トリクロロ酢酸などが挙げられるでしょう。

ただし、外用療法の場合は数週間〜数ヶ月に渡って繰り返し軟膏を塗り続ける必要があるのに加え、火傷のような症状が出ることもあります。イミキモドのように副作用の出にくい軟膏もありますが、効果が弱く、想定していた結果を得られないケースも少なくありません。

なお、尖圭コンジローマを発症すると、治療で症状が治まっても全てのウイルスを体外に排出することはできないので、再発のリスクがあります。治療法について医師とよく相談し、納得のいく方法を選ぶようにしてください。

ワクチンの効果と副作用

HPVワクチンは、性行為を経験する前に接種すると高い効果を得られると考えられています。

日本では、定期接種ワクチンとして12〜16歳の女子に接種を推奨しており、この年齢の範囲であれば接種費用は無料です。

しかし、ワクチンに関しては効果だけでなく副作用が気になる方も多いでしょう。そこで、こちらでは主な副作用や男性とワクチンの関係について紹介します。

副作用

ワクチンの副作用としては、接種を受けた部分の腫れや赤み、痛みといった症状が代表的です。

ワクチン接種者の5割以上は痛みを伴う副反応が出るといわれていますが、ほとんどの場合は数日ほどで症状がおさまります。

稀に、アナフィラキシーや手足の神経障害などの重い症状が起きることがあるものの、約100万〜400万接種に1回の頻度であり、発生率は決して高くありません。

日本では、副反応のデメリットよりも子宮頸がん予防などのメリットの方が大きいことを確認したうえで、ワクチンの接種が推奨されています。

男性もワクチンを打つべき?

日本では、2020年12月より男性への4価HPVワクチン(ガーダシル)の任意接種が承認されました。

ヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんや外陰がんをはじめとした女性特有の病気の原因となる印象が強いですが、男性の陰茎がんや肛門がん、中咽頭がんにも繋がりがあると考えられています。

また、ヒトパピローマウイルスは性交渉により感染する場合がほとんどです。男女ともにワクチンを接種しておけば、男女間で感染を繰り返し、ウイルスが広がるのを抑えられます。

男性のワクチン接種は、感染による病気の予防だけでなく、自分が感染源となって大切な人にウイルスをうつさないためにも重要です。

まとめ

ヒトパピローマウイルスは、男性でも感染します。無症状の場合が多いものの、尖圭コンジローマや陰茎がん、肛門がんなどの原因になる場合もあります。

HPVワクチンは「子宮頸がん予防のために女性が接種するもの」というイメージがありますが、男女間の感染を防ぐためには、男性が接種することにも意義があります。ヒトパピローマウイルスへの理解を深め、ワクチンによる予防を含めた対策を検討してみてください。

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