淋菌感染症(淋病)の男性の症状について

男性が淋菌感染症にかかった場合は排尿痛や膿などの症状、女性の場合は下腹部の痛みやおりものの異常が現れるときがあります。淋菌感染症の疑いが出たら、速やかに医療機関を受診し、適切な検査・治療を受けることが大切です。

この記事では淋菌感染症の症状や治療法などを紹介します。淋菌感染症について詳しく知りたい方に役立つ情報を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

淋菌感染症(淋病)とは

淋菌感染症とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)への感染によって起きる性病です。淋病とも呼ばれており、日本国内でも年間に渡り多数の感染者が報告されています。

淋菌感染症にかかると、2〜9日ほどの潜伏期間を経たあと、男性は淋菌性尿道炎、女性は子宮頚管炎を発症するのが一般的です。男性と比べて女性の方が自覚症状は少ないですが、感染源となって他の人にうつす可能性は十分にあります。

近年は、淋菌感染症になるとエイズの原因であるHIVウイルスに感染しやすくなるという説も出てきており、看過できない性感染症だといえます。感染症の具体的な内容について学び、適切な対処法を取り入れることが大切です。

原因

淋菌感染症は、性交渉の際に粘膜や分泌液に触れることで感染します。また、淋菌は口腔や咽頭に潜んでいることもあるため、オーラルセックスによっても感染する可能性があります。

主に性交渉や性交渉に類似した行為で感染しますが、タオルや指を通じて感染するケースもあります。ただし、淋菌は感染者の粘膜から離れたあと、数時間で感染性を失い、乾燥や日光、消毒剤で簡単に死滅します。そのため、性交渉以外での感染は稀です。

1回の性交渉で淋菌に感染する確率は3〜5割といわれており、放置していると症状が重くなるリスクがあります。感染した場合にどのような症状が出るのか確認し、疑わしい兆候があるときは速やかに医療機関を受診してください。

男性の症状

淋菌感染症の症状は、男性と女性で異なります。

ここでは男性によく見られる症状を紹介しますので、淋菌感染症について理解を深めるための参考にしてください。

排尿痛

男性が淋菌感染症にかかると、尿道炎を発症することが多いといわれています。尿道に炎症が起きることで排尿時に痛みを感じるようになり、症状の度合いによっては激しい痛みに悩まされます。

また、排尿痛が起きなくても、炎症によって尿道に痒みや違和感を覚えるケースもあります。適切な処置を行わず後遺症が残ると、尿道狭窄によって排尿が困難になる場合もありますので注意してください。

尿道口の赤み

淋菌感染病では、尿道口に赤みが出て腫れることもあります。症状が強いと、亀頭部の発赤腫脹によって目に見えて異常が起きていることがわかるでしょう。通常時と比べて明らかに性器の色が変わっている場合には病原体への感染が疑われるため、医療機関に相談するのがおすすめです。

尿道から出る膿

尿道からドロっとした黄白色の膿が出てくるのも、淋菌感染病の特徴です。

淋菌に感染して病原体が増殖しようとすると、免疫細胞(白血球)の排除機能が働いて炎症が発生します。免疫細胞によって排除された淋菌が膿に変わり、尿道から出てくるのが基本的な仕組みです。

淋菌感染症にかかると、多量の膿が尿道から出てくるため、下着の汚れで異変に気づく場合もあるでしょう。

膿が出ているにも関わらず放置していると、尿道から精巣に向けて病原体が移り、精巣上体炎を引き起こすことがあります。陰嚢が大きく腫れたり、歩行困難になるほどの痛みを感じたりするだけでなく、不妊の原因になる可能性もあるため迅速な処置が必要です。

似ている症状

男性の淋菌感染症は、クラミジア性尿道炎と症状が似ています。クラミジア性尿道炎とは、クラミジアト・ラコマティスと呼ばれる病原体への感染によって発症する性病です。排尿時の痛みや膿の分泌など淋菌感染症と近い症状が出ますが、細かな部分で違いがあります。

例えば、クラミジア性尿道炎は排尿時の痛みが軽度で済む場合が多いですが、淋菌感染症は強い痛みを感じる可能性が高いです。また、尿道にクラミジアが感染した際は乳白色もしくは透明の水っぽい膿が出る一方で、淋菌感染症ではドロっとした黄白色の膿が分泌されます。膿の量は淋菌感染症の方が多く、クラミジア性尿道炎は少量です。

このように、淋菌感染症とクラミジア性尿道炎は症状の度合いに違いがあります。まずは検査を受けて、なにが原因で異常が起きているのか確かめましょう。

女性の症状

女性は、おりものの異常や下腹部の痛みといった症状が現れます。しかし、軽症もしくは無症状の場合が多く、感染症にかかったことに気づかないケースも珍しくありません。

感染を放置していると、子宮や卵管、さらには卵巣へと病原体が侵入し、子宮内膜炎、子宮周囲炎、卵巣炎、卵管炎へと進行するリスクがあります。骨盤内にある腹膜へ炎症が及ぶと、腹部に激痛を生じる急性腹症になり、不妊症や子宮外妊娠につながることも考えられます。

また、妊娠中に淋菌感染症になると、骨盤内感染症や早産、流産の原因になることもあり、注意が必要です。自覚症状が少ないからこそ、感染が疑われる相手と性交渉を持った場合は速やかに医療機関を受診するようにしてください。

検査方法

問診や視診を行い、淋菌感染症の疑いがある場合は検査を行います。性器に症状が出ていたら尿検査、咽頭に症状が出ていたらうがい検査を実施するのが一般的です。

検査方法には、精密検査と即日簡易検査、即日精密検査、迅速即日精密検査があります。精密検査は症状が出ていなくても検査が可能ですが、外部に検査を委託するため、結果が出るまでには2〜7日ほどかかるでしょう。即日簡易検査は症状が出ている場合に利用され、15分ほどで結果が出るものの、精密検査と比べて精度が劣る点には注意が必要です。

即日精密検査は、無症状の状態で検査ができるのに加え、医療機関内の専門機器を使って検査を行いますので、当日もしくは翌日に結果が出ます。さらに、最短2時間で結果が出る迅速即日精密検査もあり、取扱いは各医療機関によって異なります。

検査はパートナーと一緒に

淋菌感染症は性交渉によって感染するため、感染が疑われる場合はパートナーと一緒に検査を受ける必要があります。自分だけ検査・治療を行っても、パートナーが感染したままであれば、性交渉によって再び感染してしまうでしょう。パートナー間で感染を繰り返すピンポン感染の状態に陥り、完治が困難になります。

「自分が淋菌感染症にかかったことをパートナーに伝えるのは気まずい」と感じるかもしれませんが、お互いの体を守り、感染を広めないためにも検査は不可欠です。また、お互いの治癒を医療機関で確認できるまでは、悪化や再発を防ぐために性交渉を避けることも重要です。

治療法

検査によって淋菌感染症が発覚したら、アジスロマイシンをはじめとした抗生物質の内服で治療を行います。飲み薬だけで完治しないと判断された場合は、点滴や筋肉注射を取り入れることになるでしょう。

尿道炎が疑われる場合は、来院日から治療を始めるのが一般的です。合併症がない限りは、1回の注射や点滴で治療が完了します。ただし、感染した淋菌が抗生物質への耐性を備えている場合は、1回の治療では治癒しない可能性があるため、再検査で病原体の状態を確認する必要があります。

淋病の予防方法

淋菌感染症を防ぐためには、性交渉の際に必ずコンドームを使用することが大切です。また、不特定多数の人と性的な関係を結ぶと、感染のリスクが高まるだけでなく、感染経路もわかりづらくなります。性交渉をするのは特定のパートナーに絞ることも予防方法の1つです。

なお、パートナー間で感染を繰り返すピンポン感染を避けるため、淋菌感染症の疑いがある場合はパートナーと共に検査を受けることが推奨されています。

まとめ

男性が淋菌感染症にかかると、排尿痛や膿などの症状が現れます。女性は無症状の場合が多いですが、放置していると子宮内膜炎や子宮周囲炎などに発展し、不妊症につながることもあるため注意が必要です。

淋菌感染症が疑われる場合は早めに医療機関で検査を受け、適切な治療を受けてください。また、日頃から感染を防ぐための対策を行うことも重要です。自分やパートナーの体を守るためにも、正しい知識を持ち、予防していきましょう。

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