A型肝炎とは?治療や予防法について解説

A型肝炎とはどのような病気かご存じでしょうか。A型肝炎はウイルス性の肝疾患で、魚介類を生食したり汚染された水や食べ物を食べたりすることで感染する病気です。高齢者が発症した場合は死に至ることもあります。

この記事では、A型肝炎の概要や発症した場合の治療の流れ、予防法を解説します。この記事を参考にして予防に努めましょう。

A型肝炎とは?

A型肝炎は、ウイルス性の肝疾患です。A型肝炎ウイルスを原因に、肝臓の炎症を起こします。世界では毎年推定150万人が発症していると言われ、子どもや若い成人で特に多く見られる病気です。6ヵ月以上感染が持続せず(慢性化しない)、一度A型肝炎ウイルスに感染すると免疫系が抗体を作る(終生免疫)という特徴があります。

ここでは、A型肝炎の原因や感染経路、潜伏期間などを詳しく解説します。

原因・感染経路

A型肝炎を発症するほとんどの原因は、糞口感染や経口感染です。感染者の糞便により汚染された水や食べ物を摂取(糞口感染)したり、魚介類を生で食(経口感染)したりすることで感染します。その他の原因として、性行為や輸血による血液感染も報告されています。

衛生環境が劣悪な発展途上国では、子どもの感染者が数多く報告されていますが、日本の感染者は成人が中心です。これは、感染者との性行為や海外への渡航をする人が成人に多いためで、成人のA型肝炎の感染者は増加傾向にあります。

感染者と接触した程度ではうつる確率はほぼありませんが、感染者と濃厚な接触(性行為など)をすると感染する恐れがあります。なお、A型肝炎感染者の内訳は男性が95%です。これは、男性間の濃厚な接触による糞口感染が原因と考えられています。

潜伏期間

A型肝炎ウイルスに感染してもすぐに症状が現れるわけではありません。厚生労働省によると、A型肝炎ウイルスに感染してから初発症状が現れるまでの潜伏期間は平均4週間とされています。潜伏期間がやや長いため、海外旅行中に感染して帰国後に発症するというケースも多くあります。

また、感染期間は、発症の4週間ほど前から発症後数か月といわれています。6ヵ月以上感染が持続することはありません。

症状

A型肝炎の症状は、急な発熱、全身のだるさ、下痢、食欲不振、吐き気、おう吐、褐色尿、黄だん(皮膚や眼球結膜が黄色くなること)などです。症状は、子どもより大人の方がよく見られるほか、高齢になるほど重症化しやすい傾向にあります。

ただし、感染したからといって前述の症状をすべて発症するわけではありません。6歳未満の子どもなら感染したとしても顕著な症状は現れず、黄だんが現れるのは10%程度です。そこから年齢を重ねるごとに重症化のリスクが上がります。

例えば、親子3代で考えると40代の父親のリスクが高いとされています。これは、日本の60歳以上の人は抗体を持っている場合が多いためです。

検査

A型肝炎ウイルスに感染しているかを検査するためには、Igm-HA抗体検査が必要です。この検査は、採血による血液検査のことで約6ml程度の血液を採取します。

感染してから1ヵ月程度でIgm-HA抗体値が最大となり、3〜6ヵ月後に陰性化するため、1ヵ月〜3ヵ月以内に感染の有無が分かります。

他にも、簡易的なIgm抗体検査キットが市販されています。詳細な検査手順は検査キットにより異なるため、よく確認してから使用しましょう。

感染リスクのある人

A型肝炎に感染したことがなく、ワクチン接種も受けていない場合は、誰でもA型肝炎に感染する恐れがあります。ウイルスが広範囲に存在する地域では、ほとんどの子どもがA型肝炎に感染しています。感染リスクのある人は以下の通りです。

  • 不十分な衛生環境にいる
  • 安全な水が不足している
  • 注射薬物使用者
  • 感染した人との同居生活を送っている
  • 感染した人との性的なパートナー
  • 予防接種を受けずに、ウイルスのまん延地域に渡航する

また、男性間で性行為をしている人は、A型肝炎にかかるリスクが高いといわれています。東京都内における2018年のA型肝炎患者報告数によると、男性間の性行為が感染原因となったという報告数が2017年(66件)よりも大幅に増えて年間400件を超えました。

A型肝炎と診断されたら

A型肝炎の治療薬はありません。安静にして経過を観察することが主な治療法になります。感染から症状が完治するまでの時間は数週間から数か月ほどです。一度治療が終了し、体の中に抗体ができれば、再感染はしません。

また、A型肝炎と診断されたとしても、急性肝不全が発生しなければ入院する必要はありません。ただし、検査数値が異常に高い、黄だんの症状が見られるなどの場合は、入院して経過観察をする必要があります。入院する場合は。おう吐や下痢で失われた水分を補給し安静にしましょう。

肝機能が正常に動いていることが確認できれば、治療は終了です。一方で、治療後2〜3か月の間は、便の中にウイルスが排出されることがあるので注意しましょう。

なお、感染してから完治するまでの間は、不要な薬物治療を避けることが大切です。特に制嘔剤やアセトアミノフェン・パラセタモールなどは避けるようにしましょう。

A型肝炎の予防法

A型肝炎を予防するためには、予防接種が最も効果的とされています。また、食品の安全性確保と衛生状態の改善も重要なポイントになります。具体的には、以下の対策が有効です。

  • 予防接種
  • 安全な飲用水の確保と供給
  • 下水の適切な処理
  • 個人の衛生習慣の改善

A型肝炎の予防接種には数種類のワクチンがあり、効果と副反応はすべてのワクチンで有効性が確認されています。世界中で何百万人がA型肝炎のワクチンを接種しているものの、重篤な副反応が起こったことはありません。危険性の低い予防接種といえるでしょう。

ワクチンを1回摂取すれば、1か月以内にほぼ100%の確立でウイルスを防げるほどの抗体ができます。ウイルスに感染した後でも、感染から2週間以内にワクチンを打てば予防効果が見込まれます。

このワクチンは、海外に渡航する前に他の感染症のワクチンと一緒に接種することが可能です。子どもの定期予防接種でも接種されています。

まとめ

A型肝炎はウイルス性の肝疾患であり、有効な治療法はありません。6歳未満の子どもが発症した場合、顕著な症状が現れることはほとんどなく、黄だんが現れる確率も10%程度です。年を重ねるにつれて重症化のリスクが上がっていき、親子三代で考えた場合、40代の父親のリスクが最も高くなります。

A型肝炎にかかった場合、完治するまでに数週間〜数ヵ月の時間がかかります。治療法はなく、下痢やおう吐で失われた水分を補給して安静にしていることが必要です。なお、一度かかると免疫系が抗体を作るため、再度A型肝炎になることはありません。

とはいえ、まずはA型肝炎にならないよう予防することが大切でしょう。この記事で紹介した予防法を参考にしてみてください。

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