梅毒の治療法とは?梅毒に見られる主な症状や検査・治療にかかる費用について解説

性感染症の1つとして知られる梅毒ですが、症状や具体的な治療法についてよく理解していない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、梅毒に罹患した場合の治療法や費用、梅毒の原因・予防について紹介します。梅毒について理解を深めて、疑わしい症状が現れる場合でも落ち着いて対処できるようにしましょう。

梅毒とは

梅毒とは、「梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)」によって引き起こされる細菌性の性感染症のことです。梅毒は全身にわたってさまざまな臨床症状をきたす可能性があり、抗菌薬による適切な治療を受けなければ深刻な健康被害につながる場合があります。母子感染を起こした場合は、流産や死産などが起こる可能性も少なくありません。

梅毒は症例数が多く、過去には一生治らない病気と認知されていた時期もありました。現在は治療に有効な抗菌薬があり、治療も可能です。

梅毒に罹患する原因

梅毒を発症する原因は、主に2つに分かれます。

1つ目は、梅毒トレポネーマ保菌者との性行為による感染です。粘膜や皮膚と病変部位が直接的に接触にすることによって感染します。主に性器と性器、性器と口の接触などです。

2つ目は先天的な発症です。「先天梅毒」といわれ、梅毒を発症している母体から胎盤を介して感染することがあります。母体のいずれの病期でも起こり得るため、注意が必要です。出生時は無症状のことが多く、気付かれにくい傾向にあります。生後数ヶ月以内に水疱性発疹や全身性リンパ節腫脹、骨軟骨炎などの症状が見られるようになります。

梅毒の感染経路

梅毒の感染経路は、前項で紹介したように大まかに分けて「性行為」と「母体感染」の2つです。

ただし、性行為自体だけでなく、それに準じた行為でも感染のリスクはあります。性行為で感染する原因は粘液や皮膚との接触のため、アナルセックスやオーラルセックス、キスなども感染経路です。ごく稀にですが、食器を介した感染や輸血が原因になることもあり、日常生活で罹患する場合もあります。

母体感染の場合、生まれてすぐは症状が出ないケースが多いものの、数ヶ月で深刻な症状が露呈します。奇形児として生まれる場合や流産となってしまう場合もあります。

梅毒の治療法

重篤化すると神経系や血管系に影響を与えるため、難病と誤解されがちな梅毒ですが、早期に正しい治療を行えば、治癒します。梅毒の治療法は、「飲み薬による治療」と「注射による治療」の2つです。

日本国内では、飲み薬による治療が一般的に行われてきました。注射による治療も世界的な標準治療として扱われており、日本でも治療薬の製造販売の承諾はされています。

しかし、注射による治療は、飲み薬に比べて副作用が多い傾向にあります。いずれも医師の許可のもと、感染の可能性のある周囲の方と一緒に治療を受けることが大切です。

飲み薬による治療

梅毒の治療において国内で主に行われている飲み薬による治療は、基本的に抗菌薬として有名なペニシリン系抗生物質である「アモキシシリン」が処方されます。

とはいえ、ペニシリンのアレルギーがある場合は、処方する薬を変える場合もあります。以下で、基本的な選択薬や投薬方法を見てみましょう。

・第一選択薬:アモキシシリン(ぺニシリン系抗生物質)

1回500mgを1日3回の4週投与するものが基本です。治療初期の症状として、発熱する場合があります。

・第二選択薬:ミノサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質)

1回100mgを1日2回、4週投与するものが基本です。海外ではドキシサイクリンが推奨されていますが、国内での梅毒への使用は保険適応外となります。

・第三選択薬:スピラマイシン(マクラロイド系抗生物質)

1回200mgを1日6回、4週投与するものが基本です。

注射による治療

注射による治療としては、梅毒の世界的な標準治療薬であるベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤があります。国内では元々使用できなかったのですが、2021年9月に国内での製造販売が承認されました。神経梅毒の場合にはベンジルペニシリンカリウムの点滴静脈内注射、または、セフトリアキソンの点滴静脈内注射による治療が一般的です。注射による治療は、内服薬に比べて短期間で治療できるものの、その分副作用も強くなっています。

梅毒に見られる主な症状

梅毒は早期発見早期治療により症状が深刻化する前に完治できますが、症状が悪化すると最悪死に至るほど危険な症状が現れます。

病理学の世界では、梅毒の病期と症状を4つの段階に分けています。各段階で該当する症状がある場合は、速やかに受診することをおすすめします。

  • 第1期:感染から3週間〜3ヶ月ほど。小さなしこりのような初期硬結が現れる
  • 第2期:感染から3ヶ月〜3年ほど。ピンク色の発疹が手のひらや足の裏、顔などを全身に現れる
  • 第3期:感染から3年〜10年ほど。ゴムのような腫瘤が皮膚や骨の関節部分などに出現し、周囲の細胞組織を破壊する
  • 第4期:感染から10年以上。大動脈瘤による心血管梅毒や認知機能の低下を伴う進行麻酔、歩行障害を伴う脊髄癆

それぞれの病期と症状について詳しく見ていきましょう。

「第1期(早期顕性梅毒)」の症状

梅毒は感染してから潜伏期間が3週間ほどあり、その後症状が発現します。その最初の症状が現れている時期を「第1期(早期顕性梅毒)」といいます。第1期では、梅毒感染の原因となった箇所に初期硬結が現れます。初期硬結は、小さなしこりのような症状です。

梅毒の初期硬結は赤く腫れたような見た目になり、コリコリと硬くなることが特徴です。大腿の付け根のリンパ節などに症状が現れますが、痛みは生じないことが大半となっています。症状も数週間で自然に消滅するため、気付きにくいことも特徴です。

「第2期(早期顕性梅毒)」の症状

その後3ヶ月程で「第2期(早期顕性梅毒)」へと進行し、バラ疹と呼ばれるピンク色の発疹が手のひらや足の裏、顔などの全身に現れます。この症状の原因は、梅毒トレポネーマが全身に感染を広げているためです。この発疹には痛みやかゆみがありません。喉が腫れる症状が出る場合もあります。

この発疹も数週間で症状が消えるため、症状に気付きにくいことが特徴です。この時点で発見し、治療を行わないと、体内に梅毒トレポネーマが潜伏した状態が続いてしまいます。

「第3期(晩期顕性梅毒)」の症状

感染から3年程経過すると症状が後期に入ります。この期間を「第3期(晩期顕性梅毒)」と呼びます。最近では第3期に入る前に治療されるケースがほとんどです。もし治療せずに第3期に入ってしまった場合は腫瘍が現れます。

この腫瘍はゴム腫といわれ、ゴムのような腫瘤が皮膚や骨の関節部分などに出現し、周囲の細胞組織を破壊してしまいます。臓器に形成される場合は、多臓器不全の原因にもなり得るため、非常に危険な状態といえるでしょう。

「第4期(晩期顕性梅毒)」の症状

第3期に入る前に抗菌剤治療などが施されるため、現在は稀にしか現れませんが、感染から10年以上経過した場合に突入するのが、「第4期(晩期顕性梅毒)」です。第4期に入ると、梅毒トレポネーマに全身の臓器や神経組織が侵されてしまい、末期症状が現れます。

大動脈瘤による心血管梅毒や認知機能の低下を伴う進行麻酔、歩行障害を伴う脊髄癆が見られるようになるほか、神経障害や心不全などの原因にもなり、命にも関わる病気を発症する可能性があります。この期間になるまで放置せずに、症状が現れたらすぐ病院へ向かいましょう。

梅毒の検査方法

梅毒の検査方法は、血液検査が一般的です。血液採取を行い、血液内の抗体を調べることにより、梅毒の感染の有無を確認します。

梅毒の検査の方法は2種類あり、「脂質抗原法(RPR)」と「TP抗原法(TPHA)」の2つです。脂質抗原法は、梅毒の活動性の指標となります。TP抗原法では、梅毒に特異的な検査で過去の感染を含め精密な検査をすることが可能です。この2つの検査を行った結果により、梅毒かどうかの診断を行います。

検査結果による感染の有無は、以下の通りです。

脂質抗原法(RPR)TP抗原法(TPHA)結果
陽性陽性梅毒に感染している
陰性陰性梅毒に感染していない
陽性陰性初期感染の可能性偽陽性の可能性
陰性陽性初期感染の可能性偽陽性の可能性梅毒治療後の検査

一度でも梅毒に感染してしまうと体内に梅毒の抗体が残るため、完治後でもTP抗原法では陽性結果が出ます。

梅毒の検査・治療に必要な費用

梅毒の治療費用は、検査費用と実際の治療費用の2つに分けられます。それぞれ自治体や治療を行う場所によって費用は異なるため、事前に確認しておきましょう。症状の検査項目や、保険などでも値段の変動があります。

検査費用

梅毒の検査費用は、保健所で行う場合に限り無料で検査してもらえます。しかし、他の性感染症や病気の症状を検査する場合、自治体によっては対応していない場合もあります。

病院の場合は複数の性感染症の検査を同時に行うことが可能です。すでに自覚症状がある状態で検査を行う場合、健康保険が適用され、自己負担額はおよそ5,000円程度となります。

しかし、特に自覚症状がない場合は自費診療となるため、項目にもよりますがおよそ20,000円程度となってしまいます。

治療費用

実際に治療を行うことになった場合、保健所では大抵検査しか対応していないため、病院で治療を受けることになります。費用は自己負担額の有無にもよりますが、保険診療であればおおむね1,000~3,000円の負担で治療を受けることが可能です。

健康保険を利用したくない場合は、自由診療で受診できます。その場合の自己負担額は10,000~15,000円前後になります。

梅毒に関するよくある質問

多くの人は梅毒と聞いても性感染症であること以外、あまり知らないことがほとんどでしょう。今まで紹介してきた病気に関する基本的な情報以外にも、受診すべき科や予防方法などについて知りたい方も多いと思います。

ここでは、梅毒の治療に関するよくある質問とその答えを紹介します。

梅毒に罹患したらどの科に受診すべき?

最初に受診すべき科は、性感染症内科でしょう。性感染症内科の場合、複数の性感染症の検査を行っています。そのため、梅毒以外の性病の疑いがある場合でも対応してくれます。

その他の診療科としては、泌尿器科、皮膚科が挙げられます。陰部以外に発疹がある場合は、梅毒ではない別の皮膚病の可能性があるため、皮膚科の受診がおすすめです。

梅毒の予防方法は?

梅毒の予防方法として、梅毒の感染の疑いのある人や梅毒の病変と、皮膚や粘膜が直接接触しないようにすることが大切です。

ただし、病変の存在に気付かない場合もあります。そのため、性交渉の際には、普段からコンドームを適切に使用しましょう。しかし、コンドームが覆わない部分からの感染するケースもあります。100%の予防ができるわけではないことも念頭に置いておきましょう。

まとめ

梅毒は今でこそ早期発見、早期治療により致死率が低くなっている病気です。しかし、検査や治療を怠ると、命に関わる症状を引き起こしてしまうことに違いはありません。

感染予防は徹底して行い、もし梅毒の症状が現れたらすぐに性感染症内科や皮膚科などの病院に検査を受けに行きましょう。また検査に行く場合は、感染の疑いのある人たち全員で受診するようにしましょう。

誰か一人でも感染したままだった場合、その人からまた再感染が広がってしまいます。また、完治したからといって予防を怠らないよう心がけましょう。

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