男性のクラミジアの症状とは?女性との違い、治療法も解説

クラミジアは男性と女性の間で症状が異なることが特徴ですが、無症状の罹患者も多くいます。そのため身に覚えがない方や原因に心当たりがない方も少なくありません。そこで今回は男性のクラミジアの症状や女性との違い、治療法、予防策、検査方法について詳しく解説します。男性自身が性病に注意をすることはもちろん、パートナーと一緒に改善していく必要があります。

クラミジアとは

クラミジアとはクラミジア・トラコマチスという細菌が原因となる性感染症の一つをいいます。通称「クラミジア」ですが、正しい病名は「性器クラミジア感染症」です。5類感染症として淋菌感染症や尖圭コンジローマ、性器ヘルペスウイルス感染症と同様の位置づけにされています。

主な感染経路としては性行為が挙げられます。避妊具を用いない無防備で行う性行為やオーラル性行為、アナル性行為による感染リスクが高いです。キスや回し飲みでは感染リスクが低く、タオルやお風呂、温泉を介しての感染リスクも低いとされています。

国立感染症研究所によると、潜伏期間は男性では14〜21日間、女性は自覚症状に乏しい場合が多く特定が難しいとの報告があります。また感染率は男女ともに20代で多く10代、30代、40代の順になっており、29歳以下では男性よりも女性で感染率が高いです。特に10代で感染すると不妊にも影響があり、現状少なくない感染率なので課題として取り上げられています。

【男女別】クラミジアの症状の違い

クラミジア感染症は、男性と女性でそれぞれ異なる症状を発症する可能性がありますが、いずれも無症状の確率が高いです。無症状のため何年も気づかない間に、重症化して症状が出たら合併症を併発していたといった事案が少なくありません。早期発見が鍵ですが、以下で解説する男女別の症状を参考にして、まずは重症化を少しでも早く防ぎましょう。

男性の主な症状

男性がクラミジアに感染すると初期段階では無症状ですが、尿道におけるかゆみや腫れ、不快感、サラサラした透明の膿や軽度の発熱、痛み、排尿における痛みなどの症状が出る場合があります。

さらに感染が進行すると前立腺が腫れて発熱し、さらには排尿困難、頻尿、残尿感の症状が出る前立腺炎や発熱と精巣が大きく腫れて痛みが出る精巣上体炎を併発するかもしれません。また同時に、淋菌にも感染している可能性もあり、クラミジア除菌をしても症状が治らない場合は、淋菌感染症が疑われます。

女性の主な症状

女性クラミジア感染の症状も、男性と同様に初期では無症状が多いです。しかし感染が進行し膣や子宮頚部に感染すると、発熱や下腹部の痛み、おりものの増加が起こる卵管炎や卵巣炎に罹患したり、異常な分泌物や出血、下腹部の痛みが起こるPID(骨盤内炎症性疾患)に罹患したりと重症化につながります。

さらに感染が周囲に及ぶと右季肋部痛や嘔吐を引き起こす肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)を発症する可能性も免れません。また妊娠前や妊娠中の女性がクラミジアの罹患によって、早産や低体重の発生、新生児への感染といった重大リスクにもつながります。

クラミジアの感染者数

以下の表は国立感染症研究所が報告したクラミジアの感染者数(定点あたりの報告数)の2011年〜2020年の経年変化です。

2011201220132014201520162017201820192020
男性12.111.812.712.211.811.912.212.614.215.1
女性14.413.513.513.212.812.912.913.313.513.9

2018年までは女性の方が男性よりも罹患率が高いですが、2019年からは逆転しています。また2011年から2018年ではほぼ横ばいですが、2019年からは男性の罹患率が増加しています。人口減少も考慮すると、男女ともに罹患者数が増えていると考えられるでしょう。

クラミジアの治療法

クラミジアの治療の基本は抗生物質です。症状がすでに出ている場合も、抗生物質の投与により症状は改善します。一方、以下3点を守らなければ再発リスクが高まるので、注意しましょう。

まずは内服薬です。症状が治ったからといって指示された薬剤を途中で辞めてしまうと再発リスクが高まるので、必ず処方された分はすべて飲み切りましょう。

2つ目として、パートナーとの同時並行治療が挙げられます。ピンポン感染といって、一方だけがクラミジア治療を行ったとしても、相手にクラミジアが移っていると、完治したのにまたクラミジアに感染してしまうリスクがあります。ラリーのように感染が続いてしまうので、ラリーを終了できるように同時並行の治療が必須です。

最後に治療を受けている間は、感染拡大を防ぐためにもすべての性行為を避けましょう。治療中はクラミジアを保有している状態です。その状態のまま性行為を続けると感染者を増やす可能性があります。

クラミジアは自然治癒するの?

クラミジアは残念ながら自然治癒することはほとんどありません。5類感染症なので感染力や重篤度は低いですが、人間の免疫システムだけでは十分に対処することが難しく、感染症によっては予防接種などが普及しています。クラミジアの予防接種はまだ研究の初期段階にあるため、現状はありません。クラミジアに感染しないための予防や早期発見のための検査、感染したら抗生物質での治癒が必要です。

クラミジアを放置するとどうなるの?

男性の場合、クラミジアを放置すると前立腺炎や精巣上体炎に罹患する可能性があります。女性の場合は卵管炎や卵巣炎、PID、肝周囲炎の併発リスクの増加が免れません。また子どもを産む前のすべての方に不妊症や子宮外妊娠、新生児のクラミジア感染といったリスクがあります。また人によっては、淋菌感染症やHIV感染も同時に発症する報告もあるので放置はおすすめできません。

クラミジア感染の予防策

クラミジアは感染力が強く、ヒトに感染するリスクを完全に排除することは難しいですが、コンドームの正しい着用や不特定多数との性行為を避けるといった対策で予防が可能です。また気になる方は、自分自身はもちろん、パートナーになる方に事前に性感染症検査の受診を推奨すると良いでしょう。子どもを産みたいと考えている場合であれば、尚更です。

クラミジアの検査方法は?

クラミジアは感染していても無症状の場合が多いため、定期的な検査が重要です。検査方法は複数あり、性別や症状、感染疑いの部位によって異なる検査が行われます。

男性の検査方法

男性のクラミジア検査方法としては、血液や鼻水などを採取して検査するイムノクロマト法や採尿で検査するTMA法、PCR法などがあります。また咽頭が気になる場合はうがい液の検査方法を実施しましょう。

これらは病院を受診しなければ受けられない検査方法ですが、自宅で尿検査を選べる検査キットも販売されています。自分の都合の良いときに手軽に検査ができるので、便利な方法である一方、信頼性は低くなります。

女性の検査方法

女性のクラミジア検査方法には、男性と同様にイムノクロマト法、TMA法、PCR法がありますが、TMA法、PCR法の場合には検体採取方法が異なります。男性の場合は採尿ですが、女性の場合は綿棒で膣分泌物や肛門分泌物の採取です。この違いは、クラミジアの感染経路として男性が尿道に対して、女性が膣内や肛門になるためです。また生理中には検査ができないので、生理終了後に行います。

また咽頭感染に心当たりがある場合は、男性同様うがい液を使用して検査を行いましょう。簡易検査キットの使用も可能ですが、前述の通りです。

まとめ

国内において、クラミジアは性感染症の中でも最も多く報告される感染症で、特に若い男女に多く見られます。感染経路は主に性的接触によるもので、感染者の半数以上が無症状であるため、現症状がないまま感染を広める場合が少なくありません。

重症化すると男女によって合併症と症状が異なります。一部の検査方法では男女によって検体が異なるので注意しましょう。予防としては、コンドームの着用や不特定多数と性行為をしない方法があります。もしクラミジアに感染した場合は、自然治癒することはほぼありませんので、必ず病院に行き抗生物質を処方してもらいましょう。再発リスクをなくすために守るべき3点も紹介しているので参考にしてください。

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