クラミジアの潜伏期間はどれくらい?治療時の注意や感染予防策について紹介

クラミジアは性感染症の一種です。クラミジアに感染した場合、潜伏期間はどの程度のものなのか、どのような症状が現れ、どのような治療方法、期間が必要となるのかを理解しておきましょう。もし症状が出て来た場合に、必要な対処方法がわかりますので、クラミジアの早期発見と早期治療につなげられるでしょう。

クラミジアとは

クラミジアはクラミジア・トラコマチスという病原体に感染することで発症する性感染症の一つです。感染原因としては性交渉や類似行為によって、粘膜同士や分泌物と接触することにより感染します。分娩時の産道感染というケースもあります。

潜伏期間については1~3週間程度ですが、症状が軽いため感染に気が付かない場合が多くあります。それでは、感染するとどういった症状が出てくるのでしょうか。男女別にそれぞれ紹介します。

【男性】クラミジアの主な症状

男性がクラミジア感染症にかかった場合、尿道に炎症が出ることがあります。ただし、自覚症状が出る人は50%程度と言われています。主な症状は以下の通りです。

  • 排尿時の痛み
  • 尿道の不快感

尿道炎では尿道の炎症により排尿時痛や不快感が症状として現れます。これを放置していると精巣まで達し、精巣の上にある精巣上体(コイル状の管様のもの)に感染してしまいます。精巣上体に感染し、炎症が起きると精巣上体炎となって陰嚢の腫脹や圧痛、発熱などが起こります。

また尿道口より少量の白い排膿が出ることがありますが、ほとんど気づかずに放置してしまう場合も少なくありません。少しでも違和感があれば泌尿器科や性病科に受診して検査を受けましょう。

【女性】クラミジアの主な症状

女性がクラミジア感染症にかかった場合には、約8割が無症状とも言われています。初期段階では下記のような症状が出ます。

  • おりものの増加
  • 軽い下腹部痛

放置したままクラミジア感染症が進行すると、子宮頸部にクラミジアが感染して、そのまま子宮を通り、卵管まで達すると炎症が起こります。そのため卵管がある片側もしくは両側の下腹部に疼痛が起こり、悪化するとさらに悪心・嘔吐が起こる、子宮内膜炎によって不正出血がみられるなどの危険性があります。

合併症として、卵管炎からフィッツ‐ヒュー‐カーティス症候群(肝周囲炎)をきたすこともあり、卵管炎は瘢痕(傷跡)が残るため、不妊や異所性妊娠(体外受精)のリスク要因となります。

クラミジアの潜伏期間

クラミジア感染症には潜伏期間があります。潜伏期間は、感染はしているものの症状などは発症しない期間です。この期間に性行為や性交類似行為を行うと知らないうちに感染を広めてしまう可能性があるため注意が必要です。

【潜伏期間】人に感染する

潜伏期間は症状が現れていないので、感染に気づかず、無意識に感染を広めてしまっている可能性があります。クラミジアの場合は男性でも半数、女性ではほとんど無症状で過ぎてしまうため、特に気づきにくいのが特徴です。感染に気付かないまま、不特定多数の方と性行為をすることで、感染を広めてしまう危険性があります。

また、妊婦がクラミジアに感染すると出産時に新生児の結膜や呼吸器官に感染させてしまい、クラミジア結膜炎やクラミジア肺炎などになるため危険です。

【潜伏期間】検査できる

クラミジアの検査自体は、性行為または性交類似行為などの感染機会から24時間以上経過していれば検査が可能です。月経期間の場合は月経が終了してからでないと検査はできないため注意してください。

しかしクラミジアの検査を受けたいと思っていても、基本的には症状がないとクリニックや医院では検査が保険対象外となってしまいます。各自治体が無料で匿名検査を実施している場合はそちらを利用しても良いでしょう。

すぐに調べたい場合には保険外診療で自費となってしまいますが、検査を行ってくれるクリニックもあります。一度電話などで問い合わせてみると良いでしょう。早期に発見できれば、早期治療や重症化を避けることが可能です。

【感染期間】無症状の可能性がある

クラミジアの潜伏期間は1〜3週間ですが、無症状の場合が多いといわれています。クラミジアは感染部位で日に日に増殖していきます。潜伏期間を終了しても無症状だからといって安心しては危険です。クラミジアは淋菌などよりも増殖スピードがゆるやかで、若い女性に多いことから免疫機能も働いて無症状で経過することも少なくありません。

クラミジアが感染している間はずっと感染させてしまう危険性がありますので、注意が必要です。少しでも違和感や症状がある場合には一度検査をすることが重症化を防ぐためにも有効です。無症状の間にもパートナーに感染させてしまっている可能性があります。

10年以上前に感染してもずっと無症状のまま過ごしてやっと気が付く方もいます。定期的な検査で自分自身やパートナーを守れるでしょう。

クラミジアの治療

クラミジアの治療は薬物療法が主で、クラミジアの感染がわかったらすぐに治療が開始されます。抗菌剤の内服薬での治療をメインとし、重症化している場合には点滴治療も考慮します。内服薬は主に抗菌力があるマクロライド系またはキノロン系です。その他にもテトラサイクリン系も有効とされています。

抗菌剤の内服期間は、1日のみの内服もあれば7日間の内服とされているものがありますので、医師の指示に従い内服してください。内服を途中で中断してしまうと薬が効かなくなってしまい、治療が長引いてしまう可能性があるため注意が必要です。

また重症化すると点滴治療が選択され、3~5日は点滴が実施されます。その後、状態に応じて内服薬へ移行される場合もあります。

クラミジアは自然治癒しない

クラミジアは自然治癒することはほとんどありません。一般的に一度かかった感染症の病原体に対して体内で抗体が作られて免疫ができるため、新たに侵入してきても免疫機能が退治してくれます。しかしクラミジアは私たちの細胞に侵入して増殖していく性質があるため、免疫が作られにくくなっています。

ゆっくりではあるもののどんどん増殖するため、自然治癒ができません。免疫機能では対処できない分、抗菌剤を投与し、クラミジアを撃退する必要があるのです。いつか治ると思っているとどんどん増殖が進み、炎症が起きて重症化してしまいます。きちんと検査を受けて早期に治療を開始しましょう。

治療中は性行為禁止

クラミジア治療中はピンポン感染や感染拡大を防ぐため、性行為を控えるように指導されます。

クラミジアの治療には内服薬が選択され、内服終了後に再検査でクラミジアが消滅しているかを確認し、消滅していなければ治療続行です。薬の感受性(効き目)も個体差があるため、パートナーと自分では効き方が異なります。

もしもクラミジアが消滅しておらず、完治していたパートナーに再度移してしまうと、パートナーはまた治療が必要です。これをピンポン感染といい、終わりが見えません。そのため内服治療が完全に終了となるまでは性行為は控えておく必要があります。

自分のため、パートナーのためと思い、少しの期間は我慢しましょう。

完治には治癒判定が必要

クラミジアの内服治療は確実ではありません。そのため、治癒判定といってクラミジアが消滅しているか確認が必要です。個体差で薬の感受性が異なるため、もしも治療が合わなかったり、クラミジアが消滅していなければ薬の変更をしたりする必要があります。

内服薬を指示通り内服して治療を行い、また2~3週間後に核酸増幅法かEIA法などでクラミジアが消失しているかどうかを確認します。ここで確実な内服治療が行われていなかった場合やピンポン感染している場合も少なくないため、性感染症ガイドライン2016では治癒を確認することが望ましいとされているのです。

きちんと指示通りの内服と性行為を控えることで、早期治療と完治が見込めます。パートナーと共に治癒を目指しましょう。

クラミジアの感染予防策

クラミジアの感染予防策としては接触を避けることが重要です。そのため感染予防策として、下記のものが有効だと考えられます。

  • 性行為または性交類似行為でのコンドームの使用
  • 不特定多数との性行為を控える

感染頻度が高い性行為時に感染部位がパートナーもしくは自身の粘膜に触れることで、クラミジアは感染してしまいます。そのためコンドームの使用が推奨されています。コンドームは避妊具としての役割と感染予防としての役割があるため、積極的に使用しましょう。

また性交類似行為のときから使用すると、咽頭や直腸などに分泌物や粘膜が触れずに予防ができます。指に血液や唾液が付着してそのまま粘膜へ触れてしまうことも感染リスクを増大させてしまいますので、手洗いやうがいも行いましょう。

不特定多数者との性行為は感染者との性行為確率を挙げてしまいます。控えるようにしましょう。

クラミジアと不妊の関係

クラミジアに感染すると不妊の原因になることは、国立感染症研究所などの各研究機関からも発表されています。不妊の原因はクラミジア以外にも多数あるものの、下記の状態はクラミジアに感染すると合併する症状です。

  • 子宮内膜症
  • 卵管狭窄
  • 卵管の閉塞 など

クラミジアに感染した場合には子宮頸部炎や子宮内膜症、卵管炎などの症状も見られ、特に卵管炎は瘢痕を残して狭窄や癒着による閉塞が起こりやすくなります。そのためクラミジアに感染すると不妊の原因となります。

不妊症で悩んでいる方で卵管造影検査をすると狭窄が見つかり、開通処置やクラミジア治療を行った後、妊娠するケースも多くあります。

無症状期間が長いと不妊に影響するの?

クラミジア感染が長引いてしまうと、その長い年月の分、卵管や子宮などにダメージを与え続けてしまいます。卵管炎が発症している場合には炎症と治癒を繰り返し、瘢痕が何度も積み重なり、卵管の癒着による閉塞や狭窄が起こってしまうのです。

女性がクラミジア感染しても無症状の場合が多く、卵管炎や子宮頸部炎なども軽い症状だと見逃してしまうケースも少なくありません。例えば少しお腹が痛かったり、帯下が多くなったり異変を感じても、すぐに症状も治まってしまうと見過ごしてしまいます。

そのためクラミジアの感染に何年も気が付かず長期間の無症状だった場合には、卵管や子宮頸部にダメージを与えてしまい、妊娠が難しくなって不妊の原因になるのです。少しでも気になる症状があるのであれば、検査を積極的に受けることをおすすめします。

まとめ

クラミジアは無症状の場合も多く、いつの間にか感染しており、いつから感染しているのかわからない場合もあります。症状がはっきりと出現すれば医療機関を受診して検査を受ける機会がありますが、特に女性の場合には軽度または無症状のことも多く、なかなか検査をする機会がありません。

そのため無症状のまま放置して置いたり、少し気になってもすぐに症状がなくなるため受診せずに過ごしてしまったりということが多くあります。クラミジアは何年も気づかず、10年以上前に感染していながら放置している方もいます。

しかしクラミジアは自然治癒することはなく、検査で発見された後、1日または7日間の抗菌剤投与で治療が必要です。長期間の放置や感染している状態を長引かせてしまうと不妊の原因にもなりますので、早めに受診して適切な処置を受けるようにしましょう。

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