クラミジアと診断されたらどうしたらいい?治療方法や注意点を解説

性器や陰部などに違和感を感じ、「クラミジアになってしまったのではないか」「もしクラミジアならどんな治療をするのだろう?」と不安や疑問を持っている人もいるではないでしょうか。

この記事では、不安や疑問を解消するためにクラミジアと診断を受けた場合の治療法や注意点について紹介します。

クラミジアの治療法や注意点を知りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

クラミジアとは

クラミジアは、日本でもっとも感染者数の多い性感染症です。主に性行為など粘膜同士の接触が原因で感染し、若年層の感染が高い傾向にあります。

男性は排尿時の痛みや尿道の不快感、かゆみなどが自覚症状として現れ、1〜3週間の潜伏期間があるのが特徴です。また女性はおりものの増加やかゆみ、生理時以外に性器から出血する不正出血などがあるといわれていますが、自覚症状がない場合も多くあります。

放置すると男性では尿道炎や精巣上体炎や不妊、女性でも不妊や子宮頸管炎(けいかんえん)などを引き起こすため、少しでも疑わしい場合には速やかに病院で検査を受けましょう。

クラミジアに感染する部位

クラミジアは粘膜を経由して感染する病気のため、性器だけでなく喉や肛門、目などにも感染する可能性があります。クラミジアの感染が起こる部位は、以下のとおりです。

【クラミジアに感染する部位】

  • 肛門
  • 直腸
  • 尿道
  • 子宮頸管

クラミジアは、直接的な性行為だけでなくフェラチオやクンニリングスといったオーラルセックスやディープキスなどによっても感染する可能性があります。

自覚症状が出ない人も多く、妊婦健診の際には3〜5%の保菌者が見つかるといわれているほどです。

男性も尿検査の結果4〜5%のクラミジア保菌者が出たという報告もあり、自覚症状がない人も注意してください。

クラミジア感染によって起こる病気

クラミジアは抗生物質を服用すれば治る病気ですが、自然治癒しないため放置すると深刻な病気につながる恐れがあります。

クラミジアが引き起こす病気は、以下のとおりです。

【クラミジア感染が引き起こす病気】

  • 尿道炎
  • 精巣上体炎
  • 子宮頸管炎
  • 子宮内膜症
  • 卵管炎
  • 卵巣炎
  • 肝周囲炎
  • 骨盤腹膜炎
  • 咽頭感染
  • 直腸感染
  • クラミジア結膜炎

クラミジアは、性器だけでなく喉や目、肛門など粘膜のある部位にも感染します。

そのため症状は幅広く、喉は風邪に似た症状だったり他の部位も症状が出ないケースもあったりすることから、感染に気付けない場合が多くあり注意が必要です。

なかには骨盤腹膜炎や卵管炎など、悪化によって不妊をもたらす病気もあります。重症化させ手遅れにならないためにも、クラミジアに感染した疑いがある場合には男女ともに早期の受診が大切です。

クラミジアと診断されたときの治療法

クラミジアの治療は、抗生物質の服用が主流です。ただし、クラミジアの性質上、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系など通常の抗生物質は効かないとされています。

また薬の使用法を間違えると抗生物質が効かない耐性菌が増える可能性もあるため、注意が必要です。

クラミジアの治療に使われる代表的な抗生物質は、以下のとおりです。

【クラミジアの治療に使われる抗生物質】

  • アジスロマイシン(ジスロマック)
  • クラリスロマイシン(クラビット・クラシリッド)
  • レボフロキサシン
  • シタフロキサシン

抗生物質はそのときの体調や状況によって処方されるものが変わります。

妊婦向けに推奨されているものなどもあるので、必ず病院で検査を受けて自分の状態に合ったものを処方してもらいましょう。

クラミジアと診断されたときに注意すべきこと

クラミジアは自然治癒をする可能性はないとされており、専門機関での適切な指導による治療が必要な病気です。

男性は泌尿器科、女性は産婦人科で受診できます。放置してしまうと、尿道炎や不妊などになる可能性もあり、初期段階で適切な治療を受けることが大切です。

また、診断を受けたあとに自己判断で対応して適切な治療をしない場合、治らないばかりか症状が悪化する可能性もあります。

下記では、クラミジアと診断されたときに注意すべきポイントを解説します。

治療中に性交渉をしない

クラミジアの治療中の性交渉は、パートナーに感染を広げる可能性がある危険な行為です。たとえ避妊具(コンドーム)を着けていたとしても、粘膜や体液が接触し、感染してしまうリスクがあります。

もちろん、性行為だけでなくオーラルセックスも同様に粘膜の接触による感染のリスクがあるのでやめましょう。クラミジアは、性器だけでなく喉や肛門にも感染し、悪化すると上咽頭炎や血便などを引き起こす病気です。

病院で再検査を受ける前に性交渉をすることで相手にうつせば、お互いに病気をうつし合う「ピンポン感染」が起こる可能性も高くなります。

早期に治療を終わらせるためにも、再検査を受け完治が確認されてから性交渉をしましょう。

処方箋は飲み切る

クラミジアの診断を受けた場合、処方された抗生物質はすべて飲み切ることが重要です。

クラミジアの治療では「アジスロマイシン」や「クラリスロマイシン」「レボフロキサシン」など複数の抗生物質のなかから患者の状態に合わせた薬が処方されます。

使われる抗生物質の種類によって服用量や頻度が異なるため、自己判断で飲む量を減らすとなかなか症状が改善しません。

また服用量を守らないと、抗生物質が効かない耐性菌が増殖する場合もあり危険です。耐性菌が増えると本来なら一回の治療で終わるはずが、再治療が必要になる場合もあります。

クラミジアは、自然治癒する病気ではありません。

重症化すると男女ともに不妊につながる可能性もあるため、抗生物質は必ず病院で処方されたとおりに服用し、処方された分を飲み切るように意識しましょう。

パートナーにも検査を受けてもらう

クラミジアは性行為によって感染する病気であるため、パートナーがいる場合には相手にも検査を受けてもらうことが重要です。

クラミジアは自覚症状がない場合も多く「自分は大丈夫」と伝えられる可能性もあります。しかし、自然治癒せず、重症化すると不妊のリスクもあるため、パートナーへ説得を試みましょう。

またパートナーが検査を受けない場合、せっかく自分が完治しても相手から再び感染するリスクがあります。実際、クラミジアなどの性病ではカップルでうつし合う「ピンポン感染」が発生しており、注意が必要です。

パートナーと安心して性行為を行なうためにも、クラミジアが発覚した場合にはカップルで受診をするようにしましょう。

症状が治まっても必ず再検査を受ける

抗生物質の種類にもよりますが、クラミジアは服用後1〜7日で症状が治まるとされている病気です。

ただし、誤った服用法や抗生物質が効かない耐性菌が多い場合には、一回の治療では治らず再度治療を受ける必要があります。

クラミジアは自覚症状がない場合でも感染していることがあるため、たとえ症状を感じなくなったとしても、再度受診することが重要です。

クラミジアは自然治癒はしない病気のため、再検査を受けることで確実に完治していることを確認するようにしましょう。再検査を受けずに放置すると気付かないうちに悪化している場合があり、不妊につながる恐れがあります。

パートナーにうつしてしまう可能性もあるため、症状が治まったとしても必ず再検査は受けるようにしてください。

クラミジアに感染してしまう主な原因

クラミジアは自然治癒せず、医師の診断による適切な治療が必要です。放置すると、不妊や子宮頸管炎などを引き起こす可能性もあり、早期の発見・治療が求められます。

クラミジアはどのように感染するのか、主な原因を解説します。

性行為からの感染

クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという病原体が粘膜を通して人から人へと感染します。そのため、粘膜の接触を避けることが難しい「性行為」が、クラミジアの主な感染経路です。

実際、クラミジアの感染者は性行為の回数が多いとされる10代後半から30代までの感染者数が多くあります。それ以降の年代では、減少傾向です。

クラミジアは自覚症状がない場合も多く、自然治癒もできない病気です。発症には1〜3週間かかるため、性行為をしたあとはしばらくの間、自分の体調の変化を気にかけておくのがよいでしょう。

感染者の体液からの感染

クラミジアは、感染者との粘膜接触のほかに感染者の体液から感染することも分かっています。

クラミジアへの感染をもたらす主な体液は、以下のとおりです。

【クラミジア感染をもたらす体液】

・精液

・膣分泌液

・唾液

・血液

感染者から出た上記の体液が手に付着していた場合、そのままの状態で目を擦ることで、目もクラミジアに感染してしまいます。これはクラミジア結膜炎といわれており、目の充血やまぶたの腫れ、粘り気のある目やになどが初期症状として現れるのが特徴です。

また初期症状を放置したり、何度も感染を繰り返すと最悪の場合失明することもあります。日本では失明につながることは少なくなりましたが、発展途上国では現在も失明の原因の上位を占めている状況です。

性行為後、目に異変を感じるようになった人は、早めに眼科を受診してみてください。

出産時の母子感染

クラミジアは、新生児の感染も確認されています。原因としては「体内感染」「産道感染」「母乳感染」があります。妊娠中、母体にクラミジアの感染が発覚した場合は早期の治療を心がけてください。

また胎児が感染した場合、早産や流産のリスクが高まります。新生児の場合にも肺炎や結膜炎を起こす可能性があるため、妊娠したらクラミジアの検査をするのがおすすめです。

産院・産婦人科によっては、妊婦健診にクラミジアの検査を組み込んでいる病院もあります。また、感染が発覚した場合も、胎児への影響がほとんどないマクロライド系の抗生剤を処方してもらえるので、感染が分かったら早めに治療をしましょう。

早期の発見と治療が、子どもを守ることにつながります。

クラミジアに感染しないためには

クラミジアは自然治癒ができないため、感染したら早期発見と早期治療が必要になります。重症化すると尿道炎などつらい症状も待っているため、可能な限り感染を避けたい人も多いでしょう。

下記では、クラミジアに感染しないために何ができるのか、予防策について解説していきます。基本的なことを守るだけでもリスクを減らせるので、ぜひ実践してみてください。

避妊具を使用する

クラミジアへの感染を防ぐのに有効な方法の一つに、コンドームの装着があります。

クラミジアは粘膜や体液への接触が感染につながるため、直接の接触を防いでくれるコンドームは有効な予防策の一つです。

ただ使い終わったコンドームを捨てる際、手に精液などが付着することも考えられます。その際には、すぐに手をきれいに洗いましょう。

またコンドームを装着しても感染対策として絶対ではないため、感染者が性行為に及ぶことは厳禁です。クラミジアに感染した場合には、必ず再検査をして完治したことを確認し、その上でコンドームを使って性行為をするようにしましょう。

特定の相手以外と性行為に及ばない

クラミジアの感染を避けるには、不特定多数の人と性行為をしないことも大切です。不特定多数と性行為に及んだ場合、感染経路の特定が難しくなります。

また不特定多数の人にクラミジアをうつす可能性もあり、そこからさらに広がっていくことで感染範囲が大規模にわたる恐れもあります。

自分がうつらないのはもちろん、大規模な感染を起こさないためにも、特定の相手以外との性行為は控えるのがよいでしょう。

まとめ

クラミジアの治療法や注意点について解説してきました。クラミジアは、粘膜や体液の接触によって感染する性感染症の一つです。コンドームを着けたり、不特定多数との性行為を避けることで感染を予防することができます。

またクラミジアは自然治癒できず、適切な抗生物質による治療が必要です。薬を処方どおりに服用しないと耐性菌を増やす可能性もあり、治療が長引くので注意してください。

さらに治療後、症状が改善したからといって再検査を受けないでいると感染の拡大と症状の悪化につながります。クラミジアは自覚症状がない場合も多く、再検査をしなかったがためにパートナーにうつしてしまい、「ピンポン感染」が起こる可能性もあります。

クラミジアの再感染や長引く治療を防ぐためにも、処方された抗生物質を適切に飲み、症状が引いても油断せず再検査を受けましょう。安心してパートナーとの関係を持つためにも、感染が分かった場合には二人で受診するのがおすすめです。

医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ

医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。

FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。

結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。

おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。

以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。