- 川原正行
- ルナレディースクリニック院長 / 産婦人科専門医・母体保護指定医
1998年岡山大学医学部卒業。岡山大学病院、広島中電病院、福山医療センターでの産婦人科研修を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構（PMDA）にて医薬品・医療機器の承認審査に従事。こうのとりレディースクリニック、新宿レディースクリニックにて勤務の後、2021年よりルナレディースクリニック院長。
最近、トリキュラーを含めたピルを通販で購入している人を見かけますが、危険なのでおすすめしません。トリキュラーを通販で購入したいが、危険と言われれて悩んでいる方に向けて、トリキュラーについての基本勅使を一度おさらいするとともに、トリキュラーの通販が危険である理由を解説します。さらに、トリキュラーを手軽に購入できるオンライン診療についてもわかりやすくまとめました。
トリキュラーとは
トリキュラーとは、経口避妊薬（ピル）の一種です。経口避妊薬には卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲステロン）が含まれています。ピルの種類は、含まれる卵胞ホルモンの量や黄体ホルモンの種類、1シートの錠剤に含まれるホルモンの量の変化によって、いくつかに分類されています。
トリキュラーに含まれる卵胞ホルモンの量は、低用量に相当します。黄体ホルモンとしてレボノルゲストレルが配合されている、第二世代の経口避妊薬です。１シートに含まれる錠剤は、内服する時期によってホルモンの配合量が3種類に分かれる3相性ピルの一つです。
トリキュラーは低用量ピルかつ3相性ピルですので、比較的身体に優しく、副作用の出にくい処方となっています。ピルを初めて使用する方にもおすすめしやすいピルです。
トリキュラーで得られる効果
トリキュラーで得られる効果は、一つではありません。トリキュラーは経口避妊薬であり、まず第一の効果は避妊効果です。正しく内服できていれば、妊娠回避率は99％以上になります。トリキュラーを内服することにより、血液中の卵胞ホルモンと黄体ホルモンの量が増えると、脳が妊娠していると勘違いして排卵を止めてしまうのです。そのほか、子宮内膜が厚くなるのを防ぐ働きや、精子が膣から子宮に入りにくくする働きを持っているといわれています。
このほか、トリキュラーはPMSや生理痛・過多月経などの月経困難症の症状を和らげる効果も持っています。通常は、排卵や生理のたびに女性ホルモンのバランスが大きく変わり、PMSや月経困難症を引き起こします。トリキュラーによりホルモンのバランスが整うため、それらの症状が出にくくなるのです。また、ホルモンバランスの乱れがなくなるため、ニキビや肌荒れが良くなる人もいます。
トリキュラーの通販が危険と言われる理由
近年、通販や海外からの個人輸入でピルを購入することも可能ですが、こうした方法はおすすめしません。「病院に行くのは面倒だし、誰にも会わずに買えるし便利」「海外のピルは、日本のものと比べてすごく安いから」と通販を利用する方がいますが、それは非常に危険な行為です。場合によっては、命に関わることにもなりかねません。ここでは、どうしてトリキュラーを含むピルの通販が危険と言われるのか、その理由を説明します。
成分量が異なる場合があるから
最も大きな理由は、国内正規品と通販の薬は、同じトリキュラーという名前でも薬に含まれる成分の量が異なる可能性があるからです。日本正規品の薬は日本の法律で認められた製薬会社が作っており、品質や効能・効果についても医薬品医療機器等法に基づき、各会社が徹底的にチェックしています。
それに比べ、特に海外から届く通販の場合は、そもそも基準を満たしていないことが多いのです。本来であれば、医薬品は自分で使う以外の目的で輸入をすることが認められておらず、輸入した場合は法律に反していない証明である「薬鑑証明」を取得する必要があります。海外からの通販でこの「薬鑑証明」が入っていない場合は、違法に製造された医薬品の可能性があります。
また、工場の衛生状態などもチェックできていないため、極めて不衛生な場所で薬を製造していることも多く、不純物などが混入している可能性、含まれるホルモンの量が正しくない可能性があります。
偽物が届く可能性があるから
特に、海外からの個人輸入の場合、有効成分が含まれていない偽物の薬が届いたという事例が後をたちません。本物と信じて服用し、妊娠してからニセ薬だと気が付くということも実際に起こっています。また、イメージ画像と異なる商品が送られてきたというケースも多数報告されています。
海外のニセ薬については、トリキュラー以外にもたくさんの事例が報告されています。アフリカやアジアなどでは、販売されている薬の3割がニセ薬ともいわれています。
オンライン診療を受けて処方してもらうことがおすすめ
トリキュラーの通販の代わりに、オンライン診療を受けて処方してもらうのがおすすめです。トリキュラーを含めたピルのオンライン診療の場合、ピルの処方は自宅にいながら、24時間いつでもピルを注文できるので、忙しい方にはピッタリです。「なかなか病院に足を運べない」「通販でピルを購入したい」という方は、積極的にオンライン診療を利用しましょう。
避妊目的のピルの処方の場合、初回からオンライン診療が利用できますので、病院に出向く必要がありません。
オンライン診療の場合、保険適用はなく自費のみ取り扱いになります。来院と同様、2回目以降は6シート（半年分）まで処方できます。
トリキュラーの購入におすすめの通販サービス3選
どうしてもトリキュラーを通販で購入したい方におすすめしたいのが、日本の医療法人が運営しているサービスです。これらの通販は、オンライン診療のクリニックとピルの配送を組み合わせたサービスで、１回のオンライン診察ですべてが完了します。ここでは、PillsUとスマルナ、クリニックフォアをご紹介いたします。
PillsU
PillsUは、医療法人社団双葉会ルサンククリニックグループが運営する、ピルの通販サイトです。トリキュラーをはじめとした低用量ピルを扱っています。オンライン診療は24時間診察可能なので、忙しい方や平日・日中に休みの取れない方でも、問題ありません。扱っているピルはすべて国内正規品なので、通販なのに安心して内服できます。定期便なら全てのピルが10％オフになるのも嬉しいポイントです。
スマルナ
スマルナは、医療機関とユーザーをつなぐプラットフォームです。いくつかのクリニックと提携し、ピルを買いたい人がスムーズにオンライン診療を受け、診察終了後は速やかにピルの購入ができるようにサポートします。スマルナの大きな特徴は、アプリ内に医療相談室があることです。ピルについてはもちろん、生理や避妊についての悩みを助産師や薬剤師に無料で相談することができます。オンライン診療だとちょっと聞きにくいことでも、後からゆっくり相談できるので、安心してピルを続けることができます。
クリニックフォア
クリニックフォアは、医療法人エムズが手掛けるオンライン診療サービスです。低用量ピルの場合、初診からオンライン診療が可能となっています。「オンラインだけど丁寧に」をモットーにサービスを展開しており、患者満足度は95％と非常に高いです。クリニックフォアの一押しポイントは、対面診療のクリニックを７院展開していることです。オンライン診療に対応する医師は、すべて対面のクリニックでの診療も担当していますので、短い時間でも的確な診察が売りとなっています。
まとめ
今回は、トリキュラーを通販で購入しようと考えている方に向けて、トリキュラーの通販がいかに危険かを説明するとともに、安全な日本正規品のピルを購入できるおすすめサイトを3つご紹介いたしました。
海外から輸入した薬による健康被害は日本からの補償を受けられず、泣き寝入りするしかありません。今回ご紹介したサイトはいずれも簡単にピルを購入することができますので、特徴に合わせてお好きなサイトを選んでみてください。
