オンライン診療とは?ピルの種類や診療の流れ、費用を徹底解説

この記事を監修した医師
近都真侑
近都 真侑 
産婦人科医・産業医

近畿大学医学部卒業し、その後名戸ヶ谷病院で初期研修を経て千葉西総合病院と昭和大学の産婦人科にて勤務。ヤフー株式会社にて専属産業医を経て、JR東日本や株式会社ココナラなど述べ20社の産業医を歴任。

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川原正行
ルナレディースクリニック院長 / 産婦人科専門医・母体保護指定医

1998年岡山大学医学部卒業。岡山大学病院、広島中電病院、福山医療センターでの産婦人科研修を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて医薬品・医療機器の承認審査に従事。こうのとりレディースクリニック、新宿レディースクリニックにて勤務の後、2021年よりルナレディースクリニック院長。

新型コロナウィルス感染症の流行をきっかけとして、医療機関に出向かなくても診察を受けることのできるオンライン診療が少しずつ普及してきました。

今回はピルの処方を受けたいけれど、婦人科には行きたくないという方のために、オンライン診療とは何か、またオンライン診療にかかる費用と保険がきくのかどうかなどを解説します。

また当クリニックで行っているオンライン診療の流れを簡単に説明しています。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、「遠隔医療(情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為)のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」のことをいいます。

つまり、電話やスマートフォン・タブレットなどを用いて、ビデオ通話もしくは音声通話での診療が受けられるサービスのことです。

オンライン診療で処方されるピルの種類

オンライン診療で処方されるピルの種類は、一般的には避妊用の低用量ピルと緊急用のアフターピルとなります。

扱っている薬剤は病院によって異なりますので、他院で処方されたピルと同じものを続けて飲みたい、またはピルでアレルギーを起こしたことがあるなど、ピルの種類にこだわりのある方は、オンライン診療を受ける予定の病院にお問い合わせをすることをおすすめします。

オンライン診療の流れ

当クリニックで行っているオンライン診療の流れについてご説明します。

問診、診察、決済、お薬の処方まですべてスマートフォンにて完結いたします。LINEとお電話のみで行うので、面倒なアプリのダウンロードは不要、顔を見せるビデオ通話も不要です。

当クリニックでは、自費診療のみ対応しています。メニューは下記の通りです。

  • おりもの、ピルに関わる無料相談
  • 低用量ピルの診断 / 処方
  • おりもの/性病検査キットFemCHECKご利用者向け診療

予約

まずは診察の予約をお取りいただきます。LINEでお友達登録をお願いいたします。

画像の赤枠を参考に、ご希望の診察メニューより予約を進めてください。
なお、予約時間はメニューの「予約確認・変更」でいつでも確認・変更ができます。

問診票の記入

予約の完了後、WEB問診リンクが送られてきますので、予約日の前日までにリンクより回答を完了して下さい。問診票の内容は、どれも診察にあたって非常に重要なものであり、きちんと記入していただくことで、より的確な診療を受けることが可能となります。

WEB問診の回答後、スタッフからLINEが届きます。
診療前にスタッフとのやりとりが完了しない場合、診察キャンセルになりますので必ずご対応ください。

診察

予約日時になりましたら、ご指定の電話番号に医師からの電話が来ます。電話に出ていただくと、診療が開始されます。医療機関での通常の対面診察と同じように、会話しながら診察が進みます。

オンライン診療の場合は患者さんのお顔が見えないことが多く、対面診察よりもさらに細かな情報を聞かせていただくことがあります。

支払い・ピルの受け取り

診察後にお支払い用のURLをご案内いたしますので、画面の案内に従ってください。
クレジットカード(VISA、Master、JCB、Diners、AmericanExpress)でのお支払いに対応しております。
※ 原則クレジットカード払いをお願いしておりますが、難しい場合は診察前にチャットでご相談ください。

決済が確認でき次第、薬剤の発送を行います。

オンライン診療にかかる費用

オンライン診療にかかる費用についてご説明いたします。医療機関での一般的な診察にかかる費用は初診料・診察料のほか指導料・薬剤管理料に加え、薬剤の料金となっています。

オンライン診療でのピルの処方は自費診療のため、医療機関によって費用が大きく異なります。

ピルの処方にかかる費用

当クリニックの場合、ピルの処方にかかる費用はお薬代と送料500円のみです。診察料は無料です。薬は当院より全国へ配送しております。

医療機関によっては、ピルの処方でも初診料および診察料、指導料などがかかる場合があります。詳しくは、ご利用を考えている医療機関にお問い合わせください。

アフターピルの処方にかかる費用

アフターピルの場合も、当クリニックではお薬代と送料500円のみいただいております。診察料は無料です。薬は当院より全国へ配送しております。

オンライン診療では保険適用できない

2022年6月現在、オンライン診療でのピルの処方は、基本的には健康保険の適用とはなりません。生理痛などの月経困難症、子宮内膜症など健康保険が使用できる病名でのピルの処方をご希望の方は、当クリニックの場合は対面診療をご案内しております。

病院によっては、他の病院で健康保険適用での処方を受けていた場合、診療情報提供書などの提出によって初診のオンライン診療を行っているところもあるようです。この点は病院によって全く異なりますので、オンライン診療を受ける予定の病院へ一度お問い合わせください。

オンライン診療のメリット

オンライン診療の1番のメリットは、医療機関に行かなくて良いことです。病院に行くと、待ち時間や通院に要する時間など、半日仕事となることが多いです。それに比べ、オンライン診療の場合は指定の時刻に自宅などで待っているだけで診療が終わりますので、時間を有効に活用することができます。

また、オンライン診療の場合は予約が簡単であることが多いです。対面診療の場合は平日の日中もしくは土曜日の午前中のみの診療であり、予約時間は病院側が決めてしまうという病院も多いですが、オンライン診療の場合は平日夜間や土日も診療している病院がたくさんあります。中には24時間365日診療OKというところもあるようです。

さらに、自宅で診療が受けられるので、病院に通っているところを人に見られないのも大きなメリットです。婦人科に通院するのが恥ずかしい、という方にとって、オンライン診療は最適なサービスとなっています。

オンライン診療のデメリット

オンライン診療のデメリットは、やはりなんと言ってもお互いに顔が見えないことです。事前にいろいろな情報をご提供いただくとはいえ、対面診察よりはオンライン診療の方が質が落ちる可能性が高いことは否めません。

特にピルの場合は、血栓症などの重大な副作用の心配があり、正確な問診と診療で、ピルを内服してはいけない持病や体質、喫煙歴がないかなどを判断する必要があります。

また、オンライン診療の場合は他に婦人科の持病がないかを内診や血液検査で確認することができません。

これらのことより、ピルのオンライン診療は再診の患者さんのみとし、初回のピルの処方はオンラインでは行っていない病院も多いです。また、対面診察と違い、疑問点をその場で確認するのが難しいので、問診上ピルを飲むと血栓症の危険性が高い方(肥満、喫煙者、40歳以上など)の場合は、処方を断られることがあります。

まとめ

以上、ピルのオンライン診療についての基本的な事柄をまとめました。使いこなせば非常に便利なサービスですが、まだ発展途上中ということもあり、全ての方にピルの処方ができるというわけには行きません。対面診察とオンライン診療を上手に使い分けて、快適なピル生活を送りましょう。